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〜全英への道〜 ミズノオープン 2002
< 上位選手のコメント&トピックス >「そんなの、聞いてないよ〜(笑)」
今大会の最上位者には、無条件で、全英切符が与えられるが、勝ったウィルソンは、昨年の日本ツアー賞金ランク上位3名の資格で、すでに、出場権を手に入れていた。
だから、ウィルソンが勝てば自動的に、まだ、出場権を持っていない選手で、一番成績のよかった者に、その資格が、譲られることになっていた。
だが、宮里は、プレーを終えるまで、その事実を、まったく知らなかった。
前日3日目。
全英オープンの出場権について「まだ、たいした成績も残していないのに、自信がない。僕にはまだ早すぎる」と、後ろ向きなコメントを、残していた。
「だけど…」と、宮里。
「あれから、一晩考え直した」という。
「プレーの幅を広げるためにも、チャンスなら、行くべきだ、って。だから、なんとしても今日は勝ちたいと思っていた」
全英オープンには、「勝つしかない」と思いこんでいた宮里は、途中何度もウィルソンに並ぶなど、最後まで、攻め続けた。
最終18番は、552ヤードと距離が長く、しかも左サイドに延々と池が横たわるパー5。
「2つでは届かない。とにかく近くまで持っていって、3打目勝負」と、残り263ヤードの第2打でスプーンを握り、ラフからのアプローチは、手前4メートル。これをど真ん中から決め、この日5バーディノーボギーのスコアカードも、優勝には、わずか1打及ばず…。
その瞬間は、年頭の目標だったツアー初Vと、初のメジャーを逃した無念さを隠さなかったが、表情が一転したのは、その直後のことだ。
スコアカード記載エリアで、2位でも全英に行けることを知り、「とにかく、びっくり!! そんなの、聞いてないよ〜という感じ(笑)!」
これまで、海外ツアーはおろか、海外旅行さえ「学生時代のハワイ合宿で1回、行ったきり」という。
マイケル・グリントR&A全英オープン大会実行副委員長から受け取った全英オープンの選手証をしげしげと眺め、「まだ実感わかないけれど…。これから、じっくり策を考えてみます」と話した。