Tournament article
サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2002
「そろそろ、行っとかないと」
キャディバッグに忍ばせた、2粒のウメボシ。
これが、この日の川原の原動力だった。
もともと、暑さに弱い体質。
前日水曜日のプロアマ戦では、途中、「クラクラっときた」あまりの猛暑に、脱水症状を起こしかけていた。
心配したトレーナーの秋山武雄さんが、「水分と一緒に、食べるといいよ」と、持たしてくれた。
「酷暑の中のプレーで大量の汗をかくとき、水分と同時に、多量の塩分も流れ出しているんです」と秋山さん。
「でも、水分補給には余念がない選手たちも、プレー中に塩分を補充しようとは思いつかない。水分だけじゃあ、パワー不足なんです。その解消に、ウメボシを持参してもらったわけです」。
また、クエン酸を豊富に含むウメボシは、疲れて酸性に傾く体質を、アルカリ性に戻す作用も果たしてくれる。
「6ホールごとにひとつ、食べるように」とスタート時に渡されたのに、プレーに夢中になって忘れかけていた。
8ホール目にようやく思い出し、口に放り込むと、効果てきめん。8つのバーディ(3ボギー)を積み上げた。
ショットの不調で、今季5試合連続の予選落ちを喫した。
前週のオフ週には5000球の打ち込みで、なんとか立てなおして新潟入りしてきた。
「そろそろ、行っとかないと」今季初シードを、みすみす、手放すわけにはいかない。初日の好発進に、上昇のきっかけをつかみつつある川原は、2日目以降もさらなる上昇とさらなるパワーアップをねらって、「明日から、3個にしよう」と、持参するウメボシの数を、増やすことにしている。