Tournament article
ダイドードリンコ静岡オープン 2002
「キャディさんに、励まされた」
猛烈な風の中、強いられた「粘りのゴルフ」
それを支えてくれたのは、浜岡でのキャディ暦8年の杉山よし子さんの存在だった。
気まぐれに向きを変えながら、まるで生き物のように吹き荒れる風に、ボールは、予想以上に持っていかれる。
右に左にショットを曲げて、グリーンが捕らえられず、「また風とケンカしちゃったなあ・・・」。ぼやくたびに、すかさず杉山さんの叱咤が飛ぶ。
『じゃあ、仲良くなさいよ』
『くよくよせずに、次のショットのことを考えるの!』
『この風の中なら、そういうミスはよくあることなんだからね!』
普段は、グリーン上のラインは、ほとんど自分で読む国吉も、いつしか、そんな杉山さんに安心と信頼感を覚え、「今週は全部、キャディさんの言うとおりに打ってるんです」
1番で7メートル、5番で5メートル、6番は、グリーン手前10メートルを、パターで沈め、チップインバーディも奪って、この日のベストスコアタイの69をマーク。
首位と2打差の3位タイで迎える最終日、「風の中のゴルフは疲れるけど、吹けば吹くほどチャンスも生まれる。明日も、もっと風が吹けばいい」
強風の中、競り勝ってツアー初Vを挙げれば、4日間、支えてくれた杉山さんにも、最高の恩返しになる。