Tournament article
Philip Morris K.K.Championship 2002
「やっぱり、切らしたくはない」
寒冷前線の影響で、ぐっと冷え込んだABCゴルフ倶楽部。
予防のために、腰にいくつかのカイロを貼り付けてのぞんだこの日3日目。
8番パー3では、約7メートルのバーディチャンス。
ど真ん中から決めて、(どうだ)とばかりに、東が、カップの先を突き刺した(=写真)。
今年5月、2週間の入院を余儀なくされたほどの深刻な腰のヘルニアは、いまも「痛くない日はない」という。
こんな寒い日はなおさらで、患部をかばいながら執念のラウンドで、67をマークして4位タイ浮上だ。
「やっと、まともにできるようになってきたってことかな」
サングラスの奥に隠された目が、そのときわずかに、ほころんだ。
95年には、年間4勝をあげて賞金ランク2位。翌96年は、マスターズにも挑戦した男が、現在、賞金ランク78位。
15年守りつづけてきたシード権保持さえ、危ぶまれているが、
「やっぱり、切らしたくはないよね…」と、つぶやいた。
5打差から追う最終日は「もうワンチャンス、あると思ってやる」。
残り1日、東がプライドをかけた戦いに挑む。