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三井住友VISA太平洋マスターズ 2002

「DO MY BEST!」

果敢に攻めてイーグル、中嶋常幸の6番ホール

6番パー5(540ヤード)の第2打。
235ヤード先のピン右手前には、池。
さらにピンから、池までの幅はわずか7ヤード。
中嶋自身、「過去、何回も池に落としている」というホール。

「ここは左側にスペースがあるから、どうしても左を使いたくなるんだけど、良い結果が出たためしがない…。それより、しっかりつかまえる球で、池の上を狙っていくと、以外とクリアできることはわかってるんだ。だからチャレンジした」

クリークで果敢に攻めて、球はまっすぐピン方向。6メートル手前のカラーにオン、がっちり沈めて、この日2人目のイーグル奪取に、「狙ったとおりの、球だったね!」
中嶋の右腕から、力強いガッツポーズが、飛び出した。

この日、御殿場の気温は8°。前日2日目よりさらに冷え込み、風邪をおして出場の中嶋には、いっそう、つらいコンディションではあったが、他でも、同じような場面をいくつも披露し、喝采を浴び続けた。
この日も、モチベーションは、ピクリとも下がることはなく、攻めの一本槍。

「逃げれば逃げるほど、失敗したときの後味は悪くなる。無謀なチャレンジでミスすれば後悔するが、(自分にはできる)と判断してチャレンジしたことなら、後に引かない。
チャレンジするから、失敗もあるが、成功もある。
失敗したら、そんな自分を受け入れて、またチャレンジすればいい。
…もし、チャレンジもしなくなったら、あとは失敗しか残らないじゃない?」

風邪による背中の痛みは、まだ、続いているが、「ゲーム中は、そんなこと、つい忘れちゃうんだよねえ」と48歳はこともなげに笑った。
今季米シード入りを果たした田中、豪州のバデリー、手嶋、片山…。並居る若手をおしのけて、堂々トップに立った中嶋は、「いま、ゴルフが楽しくて仕方ない。…明日? DO MY BEST。“現場”で、最善を尽くすだけ。優勝する自信はあるよ」
何の気負いもみせず、中嶋が言い切った。

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