Tournament article

サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2003

『キャディさんのおかげで、とてもリラックスしてやれてます』デビュー6年目、首位タイの沢田尚(ひさし)

97年のデビューから6年目。試合では、一円も稼げず、パチンコが主な収入源だった 時期もあり、妻・美登里さんには、『もうやめたら・・・?』とまで言われたことも あった。だから、4位タイでスタートした前日初日は、珍しく美登里さんのほうから 電話がかかってきて『一体、どうしちゃったの?』。
「逆に心配されてしまいました」さすがの夫も、苦笑いせずにはいられなかった。
この日2日目のスタートは、「緊張でガチガチだった」という。上位にいることへの プレッシャーではない。「いつものようにヘタをして、ボロボロに打ってしまわない か」という不安。出だしの10番で、30メートルのバーディパットを3パットのボギー とし、「やっぱり・・・」と絶望的な気持ちになった。
次の11番ではまたもや17メートルの長いバーディパット。前のホールのこともあり、 打つ前は心臓がドキドキしたが、80センチのパーパットを決められたことですぐに気 持ちを落ち着けることができた。12番で2メートルを沈めてバーディでスコアを元に 戻したときには、すっかり平常心に戻っていた。
最終9番で右横1メートルを沈めて通算10アンダー、トップタイでホールアウト。「い やあ、気持ちいいですねえ」と満面の笑みで、新聞社が対象の共同会見や、テレビイ ンタビューなど掛け持ちで対応した沢田だった(=写真)。
今週は、頼もしい助っ人もいてくれる。ハウスキャディの関根尚美さんだ。この道10 年の関根さんの自慢は、「私がついた選手は、ひとりも予選落ちしたことがない」と いうこと。2000年の今大会には高崎龍雄のバッグを担ぎ、3位に入った実績もある。 沢田も、その関根さんに昨年大会で世話になり、ぎりぎりでの予選通過を果たすこと ができ た。そのときの相性がとてもよかったため、今年も開催直前に「コースに直接お願い してみようかなあ・・・」とまで考えたのだが、「でも、関根さんが、別の選手につ き たいと思っていたら悪いし」と、思いとどまっていたのだ。
「でも、いざ会場に来たら今年もやっぱり関根さんで。コースの方針で基本的に前年 と同じ選手につくようになっているらしいのですが、おかげで今週は初日から関根さ んとのんびりと世間話とかしながら、とてもリラックスしてやれているんですよ」 (沢田)。
否が応にも「緊張せざるをえない」と覚悟している決勝ラウンド。プレッシャーの 中、息のあった“相棒”が沢田の負担を、軽くしてくれそうだ。
写真=ホールアウト後、関根さん(=写真左)とパチリ。「沢田さんはとっても優し い人で、私もとても楽しくラウンドさせてもらってます。不思議と息が合うのは、名 前に同じ字(尚)が入っているからかな」(関根さん)。

    関連記事