Tournament article
サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2003
『とにかく、かっこいい選手になりたい』宮本勝昌の理想のチャンピオン像
たとえば、ツアーNO.1のスインガーと誉れ高い伊沢利光。
「世界新ででっかいガッツポーズ。それか最終組でまわってフェアウェーど真ん中、 ピンそばにつけて、バーディパットで余裕の優勝」それが宮本の理想の選手像だ。 「とにかく、強くてかっこいいプレーヤーになりたいんです」。
だからこそこの日最終日は、せめて格好だけでもなりきろうと、伊沢の勝負服である 黄色いポロシャツを、選んできたのだ。
「・・・それなのに自分ときたら。いちばん大事なバック9ですでにアップアップ。まるで初優勝みたいにドタバタして、余裕なんかまったくなかった」と唇を噛んだ。 「もう少し、最終日の上がり3ホールで自信を持ってプレーできないと、ダメですよ ね・・・」と、優勝インタビューでも、口をついて出るのは反省ばかりだった。
とはいえ、そんな状態ながらも、昨年2位の雪辱を1年越しに晴らし、ツアー通算5勝目をあげた、という事実には明るい材料もある。
「確かに、今後の自信になる優勝であることには間違いないです」と、気を取り直した宮本。また、今回の反省が次の勝利につながる、ともいえる。
まだ学生のころ、知人にこんなことを言われたことがある。
「プロゴルファーは、もっとも脂の乗る30歳から40歳の10年間で、いくつ勝てるかが大事」。
現在、30歳。とうとう自分もその歳を迎え、まず節目の1勝を挙げることができた。
問題は“今”ではなく“これから”なのだ
「もっともっとボールコントロールを高めて、もっともっと強い選手になって、40歳までにできるだけたくさん勝てるようになりたい」と、新たな目標も見えてきた。
そのほかにも、99年以来、2度目の米ツアー本格参戦というでっかい夢も宮本にはある。
「どれも、そう簡単なことじゃないけど、今回の優勝がそのきっかけになればいい」。
明日を夢見て、宮本は、これからも厳しい練習に励むのだろう。