2週前のジョージア東海クラシック。練習仲間の川原希が、プロ10年目の初優勝を 飾った。表彰式のあ と、18番グリーン横の池にチャンピオンをはめる儀式に、平塚も加わった。

友人を心から祝福する気持ちと同時に、そのとき平塚の胸に沸いてきたのは強烈な嫉 妬心。今年、自身 も幾度も優勝争いに加わりながら、悔しい思いを繰り返している。未勝利ながら賞金 ランクは4位と絶 好調で、いまもっとも初優勝に近いといわれる男が、平塚だ。それだけに、「本音は やっぱり、川原が 羨ましくてしょうがなかったですよ」。

そんなモヤモヤとした思いはひた隠しにして、ずぶぬれになった川原を笑顔で見てい た。そのうち、「 俺もあやかって、飛び込んでしまおかな」との考えも一瞬、よぎったが、すぐに思い とどまった。
「飛び込むのは、自分のときに取っておこう」と決めたからだ。 今週の会場、袖ヶ浦も18番グリーン横に池がある。「川原のときより底が浅くて、飛 び込むには危ない かも」と、すでに“下調べ”も済んでいる。池がダメなら、ダイブのかわりに仲 間の胴上げでもい い。とにかく今週こそ、決めてしまいたい。

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• 平塚 哲二