「ここは実力の世界」
6位タイの中嶋常幸

現在、賞金ランク72位。今年の賞金ランクによるシード権のボーダーライン71位に食い込むにはあと一 歩というところだ。

だが、中嶋は切り捨てた。「俺は、そんな位置を見ながらゴルフしてない。普通にやればそんなのは、 クリアできるはず。明日は、プレーオフに届くくらいのゴルフをするつもりだからね」。

6月に左背筋を痛めて、約3ヶ月の戦線離脱を余儀なくされた。

しかしそんなハンディをものともせず、今週のこの大会で、規定により選手に課せられる1年間の出場 義務試合数にあたる16試合目を消化した。深刻な故障がありながらしっかりとノルマを果たせた充実感 。しかも、終盤にきてこうして優勝争いに食い込めたことが、49歳に再び大きな自信を与えている。

「明日、ラ・ボンバ（今井克宗）が優勝したら、あいつ18番で踊るんじゃない（笑）？・・・できれば、 逆に俺があいつの前で踊れるくらいのゴルフをしたいもんだね」。8打差つけるリーダーを、本気で追 いかけていくつもりなのだ。

実はこれまで47勝をあげている中嶋は、73年のツアー制度施行に後に25勝以上している選手に与えられ る『永久シード権』を持っている。賞金ランクにかかわらず、来年の出場権の心配はないのだ。

その中嶋が、賞金ランクによるシード権が与えられる71位内に食い込むことで、圏内からはじき出され て泣きを見る選手が出るかもしれないが、「ここは実力の世界。他力本願じゃなく、そんなの、自分の 力で勝ち取らなくちゃダメ」とピシャリ。

最終日も、手綱を緩める気はない。

写真＝今週は風邪気味の体調を押して義務試合数の16試合目を消化「夜9時には寝て、ゆっくり体を休 めて・・・体調管理に気を配ったおかげで、こうして、俺も戦えるという実感が味わえるよ」

• 中嶋 常幸
• 今井 克宗