Tournament article
久光製薬KBCオーガスタゴルフトーナメント 2004
堅実ゴルフが持ち味のスティーブン・コンランは、元・税理士!!
度つきのメガネに、色白の肌。風貌を裏切らないその職業もコンランにとっては、退屈な日々でしかなかったという。
「僕はお金の計算をしているより、やっぱり各地を転々とするツアー生活が合っている」。改めて稼ぎ場を求め、故郷のニューサウスウェールズを飛び出した。
以来、母国ツアーやアジアンツアーなど、転々としながらたどり着いたのが日本ツアー。キリンオープンでデビュー戦を飾った96年に、プロテストに合格。2年後の98 年に初シード入りを果たしたあと優勝こそなかったものの、コツコツと出場権を守ってきた。
2001年にシード権ぎりぎりの賞金ランク71位と低迷した時期にも、「税理士時代のような、地味な日々には戻りたくない」との思いを励みに、この9年間、異国の地で辛抱強く戦ってきた。
参戦当初はいまの若手選手と同じように、米ツアーへの夢があった。日本ツアーを足がかりに、世界へと羽ばたく夢を見ていた時期もあったが、38歳を迎えた今となっては「そんな大きなことも言えなくなってしまいましたね」と、苦笑いを浮かべたコンラン。
9年の歳月を重ね、ようやく日本ツアーのチャンピオンに輝いたいま、目標は「母国オーストラリアをベースに、日本ツアーで息の長い活躍を続けていくこと」だという。
「日本のみなさんはいつもほんとうに親切だし、日本ツアーが大好きなんですよ!」。
プレーぶりに派手さはないが、確実にスコアを積み上げていくその几帳面なプレースタイルには、元・税理士という経歴もうなづける。これからも持ち味のその堅実ゴルフで、存在感を示していくのだろう。