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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2004

合田洋が、逆転シード入り「苦しい10年間でした…」

肩をたたいて喜びあった。二人三脚で勝ち取ったシード権。

合田にとって、今シーズンは勝負の年だった。94年の日本プロでツアー初優勝をあげて手に入れた10年シードは、今年で期限が切れる。
もし賞金ランキングによるシード権を失えば、来季の出場権をかけて、次週のファイナルクォリファイングトーナメントに出るしかない。
このカシオワールドオープン開催前の合田のランキングは、73位。

逆転シード入りのかかったこの週、キャディに起用した後藤勝さんは、元・研修生。ゴルフに精通した頼もしい相棒は、つい重苦しくなりがちな空気も、たわいもないジョークで一掃し、明るい笑顔で盛り立ててくれた。

練習日の火曜日には、たまたま居合わせた尾崎健夫が大きなヒントをくれた。
ドローボールを打っていた合田に健夫が言ったのだ。

「おまえいい球打ってるな〜。…でも、そんなに良い球を打っていたら、本番で打つ球がなくなっちゃうだろう?」

そのセリフに、合田は感じるものがあった。
練習場でよい球を打とうとするのではなく、そこそこのあたりでよしとして、あとは本番に取っておく。それが、ツアーを戦うプロの練習法なんだ、と気づかされた。

「…ジェットさんには、感謝してます」。
最終日は通算3アンダー15位タイに食い込んで、賞金ランク68位で無事、来季のシード権を手に入れて頭を垂れた。

「苦しい10年でした」と、振り返った。
妻・麻里さんと4人の子供たち。
5人の家族を養わなければならない立場で、「俺の稼ぎでは、生活していくのはとても厳しかった」。根を上げてしまいそうな年も何度も経験してきた。

「それでも、こうして好きなゴルフをさせてもらってきたんだからね…。これからも、1打1打、精一杯打っていくだけです」。

シード復活の喜びを噛み締めつつ、来季にむけて、気持ちを新たにした合田だった。

  • 逆転シード入りを決めて、今週キャディをつとめた後藤さん(=左)と肩を並べて喜び合う合田

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