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日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズカップ 2004
2位タイの真野佳晃
練習場で悩みを抱えている選手に真野が気前よくアドバイスを送ったら、その週、そ の選手が優勝争いをしていた・・・なんてことは今年に入ってからも何度もあった。
先週のミズノオープン。豪州のブレンダン・ジョーンズとプレーオフの末に2位に 入った飯島博明もそ うだった。
練習仲間でもある先輩に、練習日にちょっとしたスイングのヒントを伝えたら、あれ よという間にリー ダーボードを駆け上がっていったのだ。
最終日は、真野も18番ホールにかけつけ声援を送った。目の前で、何度も長いバー ディチャンスを決めて、ジョーンズに食い下がる飯島の姿に刺激を受けないわけがな い。
さっそく今週は、他人へのレッスンはひとまず休業し、真野も不調だったパッティン グの調整に時間を割いた。本戦までに計5時間以上。毎日、日が暮れるまでパッティ ンググリーンで粘った甲斐あって、復調のきっかけをつかむことができた。
なまじ理論がしっかりしているだけに、「知識ばかりが先行し」、最近あまりにもメ カニカルに頼りす ぎていた。もともとの感性を活かして打つ感覚を、忘れていたのだ。
「詳しい修正点は企業秘密だけれど」と笑いながら、「利き腕の右手の感覚を目一杯 に出して打つ。そ うしたら、今週途端にパッティングが良くなったんですよ」。出だし1番でボギー発 進。予選落ちの危機を感じながらのラウンドもバック9で盛り返し、この難コースで ベストスコアの66をマーク。首位と1打差の2位タイで決勝ラウンド進出。「まだ半分 終わったばかりだけれど、明日粘れれば、いい結果が残せそうです」。今度こそ、自 らが主役になる番だ。