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中日クラウンズ 2004
第45回中日クラウンズ 「今年から、マスターズでも優勝できるスイング作りに励んでます!!」ディフェンディングチャンピオン・星野英正
「今年から、マスターズでも優勝できるスイング作りに励んでます!!」
ディフェンディングチャンピオン・星野英正
28日(水)に行われたプロアマ戦。その表彰式をかねた本戦のオープニングセレモ ニーで星野は、クラウンズの優勝トロフィー『王冠トロフィー』の返還式と、歴代 チャンピオンの証である真っ白いブレザーの授与式にのぞんだ。
昨年の2003年大会は、プロ転向後のさまざまな重圧を乗り越えて、涙、涙の初優勝。 しかし、直後にコーチの江連忠に釘を刺された。
「今回のはプロとして本当の勝利とはいえない」。
アマチュア時代に52冠という輝かしい成績をひっさげて鳴り物入りでデビュー。その 重圧で、思うような結果が残せず、あんなにも苦労した末にもぎ取ったクラウンズで のプロ初Vだというのに、「あれは学生時代の流れをそのまま引きずって、たまたま 勝てたものにすぎない」と、江連は言ったのである。
その厳しい言葉の裏側にあるものは、「これからは、もっと高い目標を持って戦え」 というコーチの、強い願いの表れだった。
ただ漠然と「いつかはアメリカに行きたい」とか「いずれマスターズに出場したい」 とかではなく、「絶対にマスターズで勝つ。・・・それくらい、具体的な目標で取り 組んでいかないと成長しない、と江連さんは言ったんです」。
その壮大な夢実現のため、今年からスイング改造に取り組んでいる。
オフの合宿では、まず「下半身で球を打つ」ことを課題に、80ヤード前後のアプロー チに1ヶ月以上もの時間を割いた。
もちろん、ただ漫然とアプローチするわけではない。タオルと紐でしばってクラブと 手首を固定し、窮屈な姿勢のまま、ひたすら球を打ち続ける。
「最初、『こんな状態で、打てっこないよ!』と思いながらやっていたけど、いつの まにか、体を使って打つスイングを、覚えていった」という。
おかげで今年は、たとえばこれまで目一杯に振って165ヤードだった7アイアンが、 「軽く振って余裕で170ヤード飛ばせる」ほど、目に見えて飛距離が伸びているとい う。
予選落ちした先週末は、さらに難題をコーチから突きつけられた。
「僕のスイングの中でいちばん大きな欠点」というバックスイング時の切りかえし。 「クラブが寝て入ってくるのを、外から入れる形への修正」(星野)は、もともとの スイングが、根本からくつがえされるほどの大改造となる。
「自分の中では、これまで絶対に直せなかった部分に取り組みはじめました。スイン グ時の違和感? 少しどころじゃない、かなりの違和感があって、そう簡単には克服 できない部分だとは思うけど、それもすべて『マスターズでも優勝できるスイング作 り』の一環なんです」と星野。淡々と話すその表情には、ツアー1勝の貫禄と余裕も 見え隠れする。
連覇がかかった今年の45回大会は、昨年とはまた違った勝ち方で、記念の年を盛り上 げてくれるかもしれない。