Tournament article

三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2005

ポール・シーハンが、ただひとりアンダーパー「まるで、全米オープンみたいだね」

1打たりとも気が抜けない。うねるフェアウェーに、少しでも油断すればティショットは生い茂るラフにもぐりこむ。初夏の太陽と強風にさらされて、かちかちに乾いたグリーンが、選手たちのショットをはねつける。
たとえチャンスにつけても、強いアンジュレーションに、ラインが読みきれない。
シーハンも例外なく、そんな場面を何度も迎えた。
それでも、難しい状況から冷静にチャンスにつけて、バーディを奪った。

どんなときも、ルーティン(ショットに入る前の手順)を変えない。
「もちろん、僕だってこの難しいコースにイラつくことはあるけどね。それでも、次は良いショットが打てる、と信じて気持ちを切り替え、普段どおりを心がけるんだ」。

強靭な精神力で、2日間終わってただひとり、アンダーパーをマークした。
2位と2打差の単独首位で、大会を折り返した。

今年一の難コースに、「まるで、全米オープンみたいだね」と、笑った。
だからこそ「良い勉強になる」とも、考えている。次週、米ツアーのメモリアルトーナメントに出場したあと、翌日の月曜日に米オハイオ州で行われる全米オープンの最終予選会にトライする。

次週の月曜日には、やはりここ東広野ゴルフ倶楽部からほど近い小野ゴルフ倶楽部で、米国以外で初の同・最終予選会が行われるが、それにはエントリーせず、あえていばらの道を選んだ。
「それのほうが僕のこれからのゴルフ人生に、きっと役に立つと思ったから」。
世界舞台への挑戦を前に、まずクリアすべきは、ここ東広野ゴルフ倶楽部だ。

「簡単なコースでバーディを積み重ねるのも自信にはなる、とは思う。だけど、たとえフェアウェーに置いても、次のパットが難しいとか、風の状況とか・・・こういう、いろいろ考えなくてはいけない難しいコースでバーディを積み重ねていくことで、もっともっと、自信がつけられると僕は思うんだ」。

この難コースで今季初優勝をあげて、心おきなく旅立つつもりだ。

    関連記事