Tournament article
ANAオープンゴルフトーナメント 2005
すし石垣が自己ベストの64をマークして5位タイ浮上
すしが好んではいている半端丈のパンツが企業のイメージダウンになるのでは、という苦情が「顧客から3件寄せられた」というものだった。
確かに、ひと目見てそうと分かるほど石垣のズボン丈は短い。
それは「洗濯で、縮んじゃったのかな」と、首をかしげるほどだ。
しかし、本人はけっしてふざけてそうしているわけではなく、はじめからあえて床下から15センチで仕上げている。
「プレー中、くるぶしにズボンのスソがかかるのが異常に気持ち悪いから」というのがその理由なのだが、それを「イメージダウン」と言われてしまっては少々、複雑な心境だ。
「今週は、これしか持ってないし・・・」。
とりあえずこのパンツでプレーを続けながら成績で挽回するしかない状況に発奮し、この日2日目は自己ベストの64をマーク。
通算8アンダー5位タイに浮上してみせた。
近頃は、スイングや形ばかりに気を取られがちだったが、「やっぱりコースでは、ゲームやスコアに集中しよう」と、考え直した。
「どんなピンチもアプローチで無理やりなんとかする、というような強いゴルフがしたい」。
そんな思いを実践したのが、230ヤードの8番パー3だった。
風の計算ミスをしてクリークを握ったティショットは、1バウンドでグリーン奥に消えた。
次の9番ティグランド付近に落ちていた第2打は、ひどい打ち上げでピンの位置さえ確認できなかったが「無理やり転がし上げた」。
2.5メートルにピタリと寄せてみせたのが、「今日いちばんのプレー!!」と派手なガッツポーズを作ったすし。
このパーパットを沈めた瞬間は5番パー5で奪ったイーグルよりも、嬉しかったという。
ここ地元・北海道には、思い入れもある。
選手名にちなんで今年から、釧路市を拠点とする回転すしチェーンの『なごやか亭』とサポート契約を結んだばかりだ。
「週末は、たくさん応援に来てくれると思うから・・・」。
ツアー初優勝で、“すし人気”を不動のものとしたい。