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コカ・コーラ東海クラシック 2006
星野英正がツアー通算2勝目
あれから3年。
さらなるレベルアップを求め、スイング改造に取り組み、得意の小技に磨きをかけて、数え切れないほどの優勝争いも経験してきた。
毎年、安定した成績を残し、今年はこれまで、出場16試合ですべて予選通過。
トップ5入り5回。
勝ち星0ながら、前週までの賞金ランクは10位。
「・・・あと、勝つには運だけだった」。
満を持してこの日を迎えた。
待望のツアー通算2勝目は、再びこの地で。
満員のギャラリーに向かって真っ直ぐに視線を投げて、ひときわ声を張り上げた。
「ここには、きっと何かがある。・・・愛知県が、大好きです!!」。
難攻不落の三好で、ただひとりアンダーパーに「今回は、本当の実力で勝った」。
ふてぶてしくもそう言い放ったが、実ははじめ、手ごたえはまったくなかった。
2週前のANAオープン初日の朝だ。
首に激しい痛みを感じた。
車の乗り降りはおろか、寝返りも打てない状態。やむなく欠場するしかなかった。
懸命の治療で翌週には復帰したが、「今もまだ違和感が残る」。
そんな状態で優勝など想像もつかない、というのが正直なところだった。
しかしこの日最終日。
右ドッグレッグの2番で「火がついた」。
パー5から、今年475ヤードのパー4へ。難易度1位に生まれ変わったこのホールでバーディを奪った。
残り165ヤードの打ち上げの第2打を、6番アイアンでピン奥5メートルにつけたことで「難しいセッテイングだからこそ、僕のアイアンの正確性が有利になる」。
そう確信した瞬間に、星野が燃えた。