現在、賞金ランク73位につける塚田好宣はこの日の朝、衝撃の事実を知らされた。自ら立ち上げているホームページ。ファンからの書き込みにこうあった。

「73位でも、確定とはいえないですよ」。

今年シード権のボーダーラインは、規定試合数に満たない中嶋常幸（賞金ランク23位）とパドレイグ・ハリントン（同27位）と、タイガー・ウッズ（同50位）の３人をのぞく73位まで。

つまり、塚田の獲得賞金1437万4097円がひとつの目安には違いないが、ひとつ気をつけなければならないのは、現在賞金ランク89位につける今野康晴の動向だ。

次週のツアー最終戦『ゴルフ日本シリーズＪＴカップ』は昨年覇者と、今年のツアー優勝者と、今週終了時点の賞金ランク25位までなど、限られた選手にしか出場権がないから、シード権争いの選手たちにとっては今週が事実上の最終戦となるはずだが、今野こそ同大会のディフェンディングチャンピオン。

したがって、もし今週賞金ランクによるシード権を獲得できなくても、次週にチャンスを残しているということになる。

ただ、今野には複数年シードがあるために、来季の出場権を心配しなければならない立場にはない。
しかも腰痛を患って、「今は思うようなゴルフができる状態ではない。この２試合で上位70人に入れるような雰囲気でもない」とはいえ油断はできない。
たとえ塚田が今週、73位のまま踏みとどまれても、“圏外”になる可能性は大いにあるのだ。

そうと分かれば、この最後の戦いにのぞむ心構えも変わってくる。
「細かい計算をしてる間に心が折れないように･･･。とりあえず、来週のＱＴに行く覚悟だけは決めて。とにかく『俺が上に行けばいい』という気持ちで頑張ります」。

塚田と、わずか５万2689円差で次点の74位につける清水洋一も同じ心境だ。
やはり、今野の件はこの日の朝、知らされた。
「･･･塚田選手に聞きました」。
動揺からか、初日１オーバーの71位は予選通過も厳しい位置でのスタートとなったが「明日はなんとかチャンスを作ってシードを決めたい」と、気合を入れ直していた。

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• 中嶋 常幸