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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006
塚田好宣「ひょっとして、という気持ちは捨てます」
今年シード権のボーダーラインは、規定試合数に満たない中嶋常幸(賞金ランク23位)とパドレイグ・ハリントン(同27位)と、タイガー・ウッズ(同50位)の3人をのぞくまさに73位までには違いないが、ひとつ気をつけなければならないことがあった。
賞金ランク89位につけていた今野康晴の動向だ。
次週のツアー最終戦『ゴルフ日本シリーズJTカップ』は昨年覇者と、今年のツアー優勝者と、今週終了時点の賞金ランク25位までなど、限られた選手にしか出場権がないから、シード権争いの選手たちにとっては今週が事実上の最終戦となるはずだが、今野こそ同大会のディフェンディングチャンピオン。
今野には複数年シードがあるために、来季の出場権を心配しなければならない立場にはないが、賞金ランクによるシード入りのチャンスをまだ残しているということになる。
今大会で今野は73位内にくい込めなかった。
つまり、今回シードの最後の“一席”に座った塚田は次週には弾かれる可能性がある。
だから、29日(水)から始まるファイナルQTに出場して来季の出場権を確保しておく必要があるのだ。
日本でのデビューからちょうど6年目のシード落ちの危機について「小学生を落第した気持ち」と語った塚田。
「せっかく6年間やったのに。またもういちど掛け算から勉強しなおしです」と苦笑した。
宙ぶらりんの状態でこの生活をかけた戦いに臨むのは、気持ちの持って行きかたが難しいが「ひょっとして・・・という気持ちは捨てます。来週で、今野選手に抜かれると思ってやる」。
覚悟は決まっている。
94年に、豪州でまずプロデビュー。いまも、好んでアジアと日本を行き来する異色のツアープレーヤーが、世界各地で受けた予選会はこれが21回目。
今年もまた、アジアンツアーを受験するつもりだから、年末には22回目を数える。
「・・・いずれ実力がついて米ツアーのQスクールも受けられるようになるかもしれないから。その予行演習のつもりでね!」。
会場に漂うシビアな空気が毎年話題になるファイナルQT。
だが塚田の口から語られると、そこには夢と希望がいっぱい詰まっているように見えてくるから不思議だ。