最終18番パー５は手前に木、しかも深いラフ。第２打はひとまず冷静に、フェアウェーに脱出した。
続く残り180ヤードの第３打は、５アイアンでピン１メートルにピタリ。
バーディフィニッシュに、「最後に完璧なショットが打てた」と笑顔もほころぶ。

16番での嫌な記憶も、これで少しだけ払拭できた。
今年12ヤード距離が伸び、ますます難しくなったアイランドグリーンのパー３。
この日バーディを奪ったのは、セガサミーチャレンジ優勝で今大会の出場権を手にした溝渕洋介ただ一人だ。

誰もがてこずる難関で、池田も再三泣かされている。
「昨日も今日も池で･･･」。
２日連続のダブルボギーに、このまま終わるわけにはいかない。
「明日こそ、なんとかしたい」。
最終日こそこのホールをクリアして「なんとか上位に食い込みたい」。

今季、ファイナルＱＴランク17位の資格で参戦。
しかし、予選通過できたのは『ＵＢＳ日本ゴルフツアー選手 宍戸ヒルズ』だけ。
出場優先順位のリランキングも49位と大きく順位を下げて、ピンチを迎えている。

今年、今大会主催のセガサミーホールディングスと所属契約を結んだばかり。
そんな大事な年に、結果が残せない自分が情けなく、今週コース入りするなり真っ先に里見治・代表取締役会長 兼 社長のもとへ駆けつけ、頭を下げた。

「今年、不甲斐ない成績で申し訳ありません！」。
里見氏は、即座に答えた。
「･･･頑張るのは、おまえ自身のためなんだぞ」。

その言葉に、改めて気持ちを引き締めたという池田。
「上位は混戦だし、諦めずに最後までプレーしたい」と、ホストプレーヤーが気合を入れた。

池田力（いけだりき）
１９８０年６月３日生まれ。鹿児島県出身。
ゴルフは10歳から。母・法子さんがゴルフを始めたのを機にクラブを握った。
名門・日本大学に進むころには、「プロになると決めていた」という。
学生時代には、トーナメントの出場経験も。２００３年にプロデビュー。
身長166センチ、体重63キロ。

• 池田 力