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JCBクラシック 2007
坂田新聞店所属檜山敏行が暫定2位タイ
小田は今年6戦を終えて、獲得賞金はすでに1400万円を超えている。その彼と同組で回ることが分かってからというもの「彼がどんなゴルフをしているのか。勉強しようという気が初めからあった」と、檜山は言う。
特に見習う部分が多かったのは、小田のテンポの良いプレー。
「孔明のおかげで引っ張られた」とこの日、檜山も小田と同スコアで並んで好発進。
「ありがとね」と、声をかけると「僕のほうこそ勉強になりました!」。
逆に礼を言われて、思わず照れた。
「オレなんか、勉強になるもんかよ!」。
「だって檜山さんは今日、バンカーから2回も入れたでしょう。負けられん、という気になりました」と、言われて38歳はますます照れた。
「いやあ、今日のはまぐれだよ!」。
13番パー4で、グリーン右のバンカーからチップインバーディを奪った。
17番パー4でもバンカーから直接入れたが、それ以上に自己評価したいのはこのオフ、特に時間を割いたパッティングだった。
2打以降で「あえてピンを狙わずに、目標をアバウトにしてスペースを狙っていった」のも、グリーン上に自信があるからこそ。
「3〜4メートルで、距離感を合わせる練習を徹底的に積んできたから」。
無理な攻めをしなくなった分、リスクが減った。
そのかわりに自信のパットで、きっちりとチャンスを決めた。
6アンダー暫定2位タイスタートは、応援に駆けつけてくれた“恩人”への何よりのお返しになった。
栃木県宇都宮市にある坂田新聞店と、所属契約を結んだのは2003年。
忙しい合間をぬって、この日前半の9ホールについて歩いてくれた社長の坂田一郎さんは「試合のほうに専念して」と言ってくれるが毎月末には檜山も「洗剤を持って」、月に100軒もの家庭を集金して回る。
「お世話になっている社長に、いい加減なことはしたくない」との思いからだ。
もちろんこのまま“本業”でも、結果を残すことができれば言うことはない。
「僕は最初良くても、最後にいつも崩れてしまうから。明日も18ホール、トライするつもりでやる」と、気合を入れなおした。