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三井住友VISA太平洋マスターズ 2007

連覇をねらう、中嶋常幸

この日7日水曜日に行われた三井住友VISA太平洋マスターズ恒例のプロアマ・チャリティトーナメント。折り返しの10番ティで、チャリティオークションに参加した中嶋は、愛用のキャディバッグを出品した。激しい“バトル”に値はどんどんつりあがり「もうそこらへんでやめとこう」と思わず本人が制したほど。結局、落札価格は4万5000円に落ち着いて、恐縮しきりだ。

「こんなに高く買っていただいてありがたい」と感謝したあと、落札者に釘を刺した。
「でも、バッグには僕の名前がデカデカと刺繍されているんだからね。これでゴルフに行ったら、下手なゴルフはしないでくれよ!」。

軽妙なトークでひとしきり場を盛り上げたあと、いざティオフ。
スプーンを握った中嶋に、ギャラリーがねだる。
「トミー、ここは思い切って、ドライバーで行ってよ!」。
少し迷ったあと、要望に答えて持ち直した。
1番ウッドのフルショットは空気を裂いて、フェアウェーど真ん中。
渾身のティショットにスタンドは沸きに沸いた。
その背中に威勢のよい声援が飛ぶ。

「トミー、今年は連覇だよ!」。

苦笑いで、軽く手をあげるにとどまった。
「建前では“そうできたらいいね”と言いたいけれど・・・。本音は“そんなに甘くない”」。

2週前には3連覇がかかった日本シニアオープン。先週は、日米シニアの対抗戦「レクサスチャンピオンズチャレンジ」と連戦続きで、5年前の「古傷」はいまがピークだ。

「背中の痛みは単に筋肉や関節からくるものではなく、おそらく脊椎から出ている神経が圧迫されたもの」。もはや痛み止めも効かない。ひどいときは、歩くのもつらく、息すらできなくなることがある。練習日には、石川遼くんとコースを回るつもりだったが、それもやむなく断念して「ごめんね」と16歳に謝罪した。
翌週のダンロップフェニックスに出場したあと、精密検査を受ける予定だ。

そんな状態で「連覇を狙う」とは、とても言えそうにないというのが偽らざる本音だ。
「・・・でも、このコースが大好きだからね」と、中嶋は静かに言った。
富士の裾野に広がる御殿場コースは、「1年を通して楽しみにしている舞台」。
特に、最終18番。「ギャラリーと一体になれるあの雰囲気」。
それを味わいたいから、痛みにムチ打って毎年ここに帰ってくる。
「ここに来ると気持ちが落ち着く。また頑張りたい、と思える。そこまで、思わしてくれるコースってなかなかないからね」。

今年は、メジャーチャンプのオギルビーに、世界ランク6位のアダム・スコット。賞金レースは谷口、片山が激しいバトルを繰り広げている。そして、石川くんの参戦・・・。
「今年もまた、大会はすごい盛り上がるぞ〜!」と、中嶋が太鼓判を押した。
そして、「その中に、ぜひ僕も入りたいね」と、付け足した。

※7日(水)に行われた三井住友VISA太平洋マスターズプロアマ・チャリティトーナメントの模様は、地元静岡地区は11月10日(土)の13時5分よりSBSで、関東地区は同10日(日)の14時6分よりTBSにて放映予定です。

※プロアマ・チャリティトーナメントの合間に行われたチャリティオークションで集まった収益金は、地元御殿場市の福祉に役立てられます。

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