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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2007

韓国のドンファンが4打差の単独首位キープ

この日3日目は、朝からイライラしていた。「なんとなく、ボギーをいっぱい打ってしまいそうな雰囲気」。そんな予感がして、コースまで来る道のりは、つい車の運転も荒くなってしまったと、ドンファンは言う。

不安定な気持ちのままスタートしたら、案の定プレーも上手くいかない。
2番パー5で2オンに成功しながら、右奥5メートルのイーグルパットを3パット。
続く3番パー3は、ティショットを左バンカーに打ち込んで、ますますナーバスに。
5番パー4ではティショットを右ラフに打ち込んだ。
グリーンを外して寄せ切れず、いよいよボギーを打ってつぶやいた。

「これで“ドンファン”も最後かあ・・・」。
「何言ってんだい、これからじゃないか」。
早々と白旗をあげるかたわらで、すかさずそう言ってくれたのが、専属キャデイのスコット・ビントさん。

ビントさんとの初タッグは昨年8月のアンダーアーマーKBCオーガスタだった。
やはり韓国出身の先輩Y・E・ヤンの紹介で知り合って、さっそく意気投合。
その週、優勝争いの末に7位に入り、ますます相性の良さを感じたという。

そのあと、最終戦のカシオワールドオープンまでは予選落ちもなく、ルーキーイヤーにして初シード入りにも成功。
今季は、まだ予選落ちもなく、2度のトップ10入りを果たして賞金ランクは11位と、依然として好調をキープしているのは、ビントさんのアシストがあったからこそ。

それなのに、この日ばかりはどうして「自分ひとりの判断でやってみよう」などと考えてしまったのだろうか。
現在、スイング改造中だ。
常にスイングのことで頭が一杯のドンファンを、時にゴルフとはまったく関係ない話をして、さりげなく盛り立ててくれる陽気な相棒だ。

このボギーのあとは、ビントさんの言葉に積極的に耳を傾けるようにした。
「ドンファンは、なんで彼女が出来ないの?」。
「そんなの、わかんないよ。いっつも君がそばにいるからじゃない?」。
たまには、そんな他愛ない世間話で笑い合ってリラックス。
5バーディで盛り返し、単独首位をキープした。

2位とは4打差つけたが「明日は、自分がリードしていることは考えない」とドンファンは言った。
「このコースは、1日7、8アンダーは出る。後ろにつける先輩たちはみんな上手いし、いつ、誰が伸ばしてくるかも分からないから」。

最終日こそ最高のパートナーとスタートから足並み揃え「明日はとにかく自分のプレーがしたい」。
ツアー初優勝と、初のメジャー切符を目前に、マイペースを貫くつもりだ。

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