Tournament article
ANAオープン 2008
中嶋常幸が2位
悔やまれるのは3連続バーディを奪って迎えた16番パー3だ。
ティショットが左のバンカー。
エッジからさほど距離のないピンを狙ったが、ボールはグリーンからわずか10センチほど手前のラフで止まってボギーを打った。
夢は一気に遠のいたがしかし、その表情は充実感に溢れていた。
30年ぶりにグリップをインターロッキングに戻したのは大会前日の水曜日。
いきなりの決断に、右手の薬指にマメを作り、最終日にはどうやら腱を痛め、腕にテーピングをして臨んだ。
「普段使わない筋肉も使ったけど、収穫はあったよ!」と、その代償に確かな手応えをつかんだ。
最終18番で、奥から長いバーディパットを決めて拳を握り、テーピングの腕を力強く振り上げた中嶋は、18番グリーンをスタジアム風にぐるりと囲むギャラリースタンドに向かって今度は何度も何度もその手を振った。