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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2008

宮本勝昌「手がかじかみながらやるのがシリーズです」

この日同組で回った日大同期の宮本、横尾(左から)は、ときどき一緒に食事をしたりする仲
同組の横尾要に思わずつっこんだ。「どうすんだよ、そんなに拾って…」。この日吹き荒れた強風に、うねりながら舞い上がる木の葉。降り注ぐ枯れ枝。

ホールによっては、完全にグリーンを埋め尽くした箇所もあり、どの選手も収拾に追われたが日大同期の横尾はもともと几帳面な性格も手伝って、しつこいくらいに延々と拾い続ける。

親友のよしみもあって「どうせなら、掃除機持ってラウンドしたらいいのに」とつい軽口を叩いたが、そうしたくなるのも分らないではない。

拾っても拾っても、アドレスを取るなり落ち葉が降り積もる。
当然、パッティングのラインに大きな影響を及ぼす。
ひとつ前の組で回ったプラヤド・マークセンは2番ホールであまりの惨状に、一時プレーを見合わせたほどだ。

枯れ葉を吹き飛ばす送風機の到着を待って、宮本の組も「30分近く待たされた」という。
実際は15分弱だったが、待たされる時間はそれほど長く感じるものだ。
その後のティショットはグリーン奥の木の根元。大ピンチも左打ちでラフに出し、1メートルに寄せてボギーにとどめた。

ただでさえ神経をすり減らす状況もこの日1ボギーでこらえ、2位タイに踏みとどまって改めて確信した。
「僕には、やっぱり稲城の神様がついている!」。
ここ東京よみうりカントリークラブがある東京都稲城市をなぞらえて“シリーズ男”が大会3勝目をにらむ。

週末は、寒波が押し寄せる予報だが「これこそシリーズでしょう」と、意に介さない。
初制覇は雪で2日目のスタートが遅れるというハプニングがあった98年大会。
「今年は2日間こんなに暖かいことがおかしい。手がかじかみながらやるほうが、この大会らしい」と、頼もしい。


  • キャディの清水重憲さん(左)に、「あそこの葉っぱも拾って」とお願いする横尾。しかし清水さんの目では見つけられず結局自分で拾う場面も…
  • そんな横尾に「どうするのそんなに拾って」と呆れながらも、性格を知り尽くしているだけに「しょうがないなあ」と笑って許す宮本であった

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