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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2009

金鍾徳(きむじょんどく)は「人生のボーナスですよ」

好スタートで、自身に誕生日のプレゼントだ。大会初日の4日(木)に、48歳を迎えた韓国の金鍾徳(きむじょんどく)が、4アンダーの4位タイ。
2番パー5で残り248ヤードの第2打を、スプーンで3メートルにつけてイーグルを奪い、3番パー3は6番アイアンで2メートルにつけてバーディ。

開催時期が例年より1ヶ月早まったことで、普段よりラフが短いセッティングは、以前よりは大胆にティショットを打っていける。
多少のミスは、精度の高いアイアンショットと小技でカバーだ。
難コースをアグレッシブに攻めて、上々の滑り出しに、この夜の誕生パーティはいっそう気持ちよく酔えそうだ。

昨年9月に胃を悪くしたときは、試合どころかクラブさえ握れない状況だった。
「ゴルフはきっともうダメだ、と」。
絶望の淵にいた金を救ったのは、親友が「気晴らしに、別の趣味を持てば」とお見舞いに贈ってくれた一丸レフカメラだ。

ベッドから起き上がれるようになってしばらくしてから、試しに撮影に出かけたらすっかりハマった。
特にお気に入りの被写体は、野原に咲く美しい花々。
さらに元気になるとカメラを持って山に入り、撮影してきたものをプロのカメラマンに見てもらったり、凝りに凝った。
「カメラのおかげで、癒されました」。
しぼんでいた心が生き生きとよみがえり、ゴルフへの闘志が再び沸いてきたら、今度はカメラに写る番。

公傷制度を利用して、今年の開幕戦「東建ホームメイトカップ」で復帰戦を果たすと、小田孔明とのプレーオフに敗れて単独2位に。

病み上がりとは思えないゴルフでいきなりシード復帰を果たし、シニア入りを目前に控えたベテランがますます若々しい。

病気を克服して、再びスタートしたこれからのゴルフ人生は「ボーナスだと思っていますから」。
毎日、新鮮な気持ちでコースに立つ。
それが、好スコアにつながる。
「毎日が楽しくてたまりませんよ!」。
好スタートに目尻を下げて、「良い顔で撮ってくださいね」とカメラマンにオーダーを出していた。

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