後半の３番ホールから、怒濤の５連続バーディは、本人も思いがけない好スコア。東建ホームメイトカップで優勝を飾り、開幕ダッシュを切った昨シーズンとは一転、今季はこれまで、予選通過がまだ２試合しかない。

「うまくボールがヒット出来ていない。思っているとおりのボールが出ない」と、いまはまだ悩みながらのラウンドでは、とても良い結果が出る気がしない。

それでも、８バーディ２ボギーの66を記録出来たのは、「たとえばトップしてもピンに寄って行くとか、ずっと流れが良くて。今日は常に、そんな感じで運が良かっただけなので」と、普段は饒舌な選手もこの日ばかりは歯切れが悪い。

「調子が良くなって良いスコアが出るときと、良いスコアが出て調子が良くなっていくパターンがあると思うが、今回の僕は明らかに後者でして。このまま良い流れが続いて、本当に調子が戻ってくればいいなと思う」と、どことなく禅問答のような受け答えに終始した。

インタビューに臨む前は、いつも気の利いた時事ネタを２つ、３つ仕込んでくるサービス精神溢れる選手だが、今回はそんなゴルフの状態だから、ふいを突かれてそんな余裕もなかったようだ。

59歳のワトソンの活躍も、前日初日の中嶋常幸のインタビューで散々出てしまった。
「そっかあ･･･。じゃあ、全英オープンの話もダメですねえ」と、懸命に頭を巡らせるが、目新しい話題も出て来ないまま会見は終了し、「スミマセン、今日は何もなくて･･･」と済まなそうに席を立った。

「良いスイングにこだわり過ぎないほうが良いスコアが出ると、今日のラウンドで実感出来たので。土日もこのままの調子でね。それで、明日こそ良いネタを用意しておきます」と、約束して会見場を出て行った。

• 宮本 勝昌
• 中嶋 常幸