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日本オープンゴルフ選手権競技 2000
「普段のパーに0.5。インの上がりホールは特にそうです」
今年の日本オープンは特に、バック9の終盤ホールに難所が密集している。
607ヤードの14番パー5はフェアウェーが緩やかに蛇行して2オンが難しく、233ヤードと長いパー3は砲台グリーンの右サイドの芝が短く刈ってあり、ロングアイアンを握らされるこのホールは、手前から攻めるしかない。
17番。404ヤードのパー4はフェアウェー右に4本の木があり、ティショットでのフェアウェーキープが難しい。
そして、最大の難関は18番ホールのパー4だ。
もともと、パー55のホールで、478ヤードと距離もたっぷりあり、「作りもまったくパー5。ダボも覚悟する」(田中)という超難関(各ホールの難易度はホールサマリーの項目を参照)。
これらの対策として、田中は「普段のパーに0.5をくっつける」作戦を強調した。
「パー4なら、パー4.5。パー5ならパー5.5。最初から、0.5は余分にかかると考えて、いかにこの0.5を消して行けるか。また、もし余分にかかっても、がっかりしない。ギャラリーの声に、惑わされない。自分の中でのパーの設定を間違えない…。たとえば、18番のパー4は、はじめからパー5として、バーディを狙っていく感覚です。今週は、我慢比べになりますね」
初日、田中は終盤に続く難関ホールで、3つのバーディを奪い、ひとまず作戦は成功した。
だが、2日目以降は、初日の好コンディションから一転して、天候が崩れるとの予報。
本当の忍耐力が問われるのは、これからだ。
「今日は前半の11番を2アイアンでラフにいれて、残り173ヤードを7アイアンでまたグリーン手前のラフに入れて、そこから3打目をチップインしてバーディ。
ラフが大変ということを最初に経験した中で、こういう、チップインもあるんだな、と楽な気持ちでやってたらすぐに連続で来たし(12番)、これを吐き出しても(2ボギーをたたいても)イーブンだから、と余裕を持ってプレーできていたのがよかったみたいですね。昨日から『厳しい』と思っていたから、焦りもなかったです。
今日はドライバーを使ったのが4ホールだけ。6番と8番、10番、18番。セカンドは距離が残ってもいいから、広いエリアに打っていって、5番以上の長いアイアンで打っていこう、と。というのも、グリーンがとても素直な感じなんでね。グリーン上より、今週は乗せにいくまでのショット勝負だと思っていますから…。
でも、8番は本当は持つ必要がなかったんだけど、途中で少し、フェアウェーに置きたがって、ショットのときに体が縮こまっているような感じもあった。これはヤバイ、と振りぬいていくような感じを意識したくて、8番はとにかく、今後のためにも思いきりドライバーを振っておきたいと思って。
つまり、8番では、1ウッドでしっかり打っておきたい、という気持ちから使ったんで、実質的にドライバーを使ったのは3ホールです。
でも、8番で振っておいたおかげで、9番はティショットをスプーンで刻んだにもかかわらず、290ヤードくらい飛んでた。なんのための刻みなんだか(笑)、という気もしますけど、それでもフェードのほとんどまっすぐの球でど真ん中に打てたんで、8番であえて使ったドライバーの結果が出せたかな、という感じでしたね。
しかし、今日は8メートル前後のパットがよく入りました。フィーリングはいいけど、ちょっと入りすぎかな(笑)。
チップインもあり、長いパットもあり…。
とにかく、明日からはフェアウェーに置きたくなる状態のショットを減らし、最終日(勝った98年の大会のように)最後の18番で林にいれても、ドラマを残せるような位置にいられればな、と思いますね」