記事

「精一杯やりました」清田太一郎バークレイズシンガポールオープン最終日

最後まで、硬いグリーンが選手たちを悩ませた。「もう最後の方は、何が何だかわからなくなってた」と首を振ったのはこの日4オーバー、トータル10オーバーで4日間を終えた清田だ。

「体は守りに入っているのに、気持ちは攻めてしまう。欲が出てるんだろうなぁ・・・」と振り返るが、それも無理はないだろう。今季、本格参戦のアジアンツアーは現在、賞金ランク66位。シード権が得られる上位60人まであと一歩だ。

優勝賞金400万USドルと、ビッグマネーのかかった今大会でなんとか決めてしまいたい・・・。そんな気持ちがつい出てしまうのは当然の成り行きだろう。

昨年、日本ツアーの出場権を失った。稼ぎ場を求め、一念発起で参戦を決めたアジアンツアーは、「まずゴルフの前に、この場所に溶け込んでいかなければならない」という苦労があった。
「なんとか選手やツアーのスタッフに清田の名前を覚えてもらおう」。その一心で片言の英語を駆使して積極的なコミュニケーションを図ってきた。
そんな孤軍奮闘の末に、来季の出場権をぐっと手繰り寄せた今では胸を張って、自分はアジアンツアーのメンバーだといえる。
 
このあと、いちど日本に帰ってクォリファイングトーナメント(QT)のサードステージに挑戦。それが済んだら再びアジアに合流し、今度はベトナムオープンに出場する予定という。
世界各国を舞台に戦いを続けてきたこの1年間は技術だけでなく、人間的にも清田を大きく成長させてくれたといって間違いない。

関連記事