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三井住友VISA太平洋マスターズ 2009

横尾要は「15年たって、やっと分かった」

この三井住友VISA太平洋マスターズはずっと、相性が悪かった。過去11回の出場で、「半分くらいは予選落ちしているから」と本人は話したが、実際は3回。

それでも、最高順位は昨年の11位と「一度もトップ10入りしていない」というのは本当だ。
他はすべて、20位より上に来たことがなく、すべて平凡な順位に終わっていることが、そういう気持ちにさせるのだろう。

ここ「太平洋クラブ 御殿場コース」は特にアウト9ホールに、苦手意識がある。
1番を初めとして、打ち上げ・打ち下ろしのホールが多く、距離感が合わせにくい。

富士山の麓に広がるコースは、見えない傾斜による錯覚があるとも言われ、「そのことを、逆に考えすぎちゃっているせいかもしれない」。

またティグラウンドが比較的開けていることで、思い切って攻めていけることも、横尾には逆に災いしていたかもしれない。

ティショットで何がなんでもドライバーを握っていたことで、「ラフに入れて余計に距離感が分からなくなって……」。ますますミスを呼び込んでいた。
「でもやっぱり大事なのは、いかにフェアウェーをキープして、きっちりグリーンに乗せていくか、ということ」。
1995年のプロ入り以来、「15年たって、やっと分かったなんて。どうしようもないですね」と思わず浮かべた自嘲の笑み。

もっとも、すでにそんなコースマネジメントの必要性は、昨年大会から気がついており「去年から、ずっといい感じが続いている」と、胸を張る。
たとえば、ずっとドライバーで打っていた1番も昨年同様、スプーンを選択しているし、3番もそう。
「おかげでボギーを打たなくなった」と、この日は前日の初日同様にひとつ(17番)にとどめ、14番からの3連続バーディなど5アンダーをマークして、2位タイに浮上した。

今年は何度かツアー通算6勝目のチャンスを迎えているが、10月のホスト大会「ブリヂストンオープン」に象徴されるように、「トップに立ってこけているから。期待はしていない」。
ただ、思うのは「悔いの残るようなゴルフはしたくない。守らずに攻めていく」。ゲームプランは堅実でも、その気持ちは忘れない。

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