記事

日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2000

▼ 最終日の結果とコメント9番ホールで横尾要は谷口よりも派手なガッツポーズ

「あのホールがターニングポイントだった」

 決戦前、「今日は谷口さんのガッツポーズ以上のパフォーマンスをしたい」と話し、スタートしていった横尾。

 27ホール目になる9番ホールでは、18メートルものバーディパットを沈め、こぶしを天高く突き上げるガッツポーズを披露した。

 前半の18ホールで4アップまでリードしながら、後半の8ホールで谷口に1アップの逆転を許した矢先の「スーパーパット」だっただけに、思わず飛び出たパフォーマンスだった。
 これで勝負はマッチイーブンに。
 このあと、再び3アップまで取り戻すきっかけにもなり、「あれを入れたのは大きかった。あのホールがターニングポイントだった」と、満足そうにふりかえった。

 決勝戦での横尾の『パフォーマンス』は、このホールだけに限らない。
 前半の12番ホールで、2アップ奪取の5メートルのバーディパットを決めてガッツポーズ。
 21ホール目になる後半3番ホールで、第2打をグリーン左の斜面ラフに打ちこみ、4メートルのパーパットを残すピンチを切りぬけ、ガッツポーズ。

 見せ場が少なく、トレードマークのガッツポーズを繰り出す機会を失った谷口と対照的に、生き生きと、コースで暴れまくった。

 そして、とうとう35ホール目の17番ホールで谷口をノックダウン。

 「今日もやっぱり神様は、17番で僕を見捨てなかったよ」

思い返せば初日、1回戦の17番。
 2ダウンで迎えながら、「諦めちゃいけない」と気合を入れて、12メートルのバーディパットをねじ込んだ。
 その後、対戦相手の小達のボギーでイーブンまで盛り返し、エキストラ1ホールで大逆転。
 あのときの粘りがあったから、ここまで勝ちあがってこれた。

 「17番では、いつもいい意味の開き直りとツキがあった。あのホールには、何かいたのかもしれないね」と話す横尾の笑顔には、初日から6ラウンドを戦い終えた安堵感と、勝利の喜びに溢れていた。

関連記事