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Philip Morris Championship 2000
ベストスコア66をマークした米山剛
米山のショットが冴え渡る。
1番で1.5メートルにつけると、4番で5メートル。7番2メートル。10番では3メートルと、次々とピンを捕らえ、スコアボードを駆け上がっていく。
17番で5メートルのバーディチャンスを沈めると、ラスト18番は、残り80ヤードをピン右30センチにピタリ。この日、ベストスコアをマークして、5位タイ浮上だ。
昨年は、念願の初Vを上げたと同時に、年間3勝をマーク。「去年は120%の力で戦った」。実力を一挙に咲かせた年だった。
しかし、今季はここまで賞金ランク42位と低迷中だ。
2月に挑戦した米ツアー『ニッサンオープン』で開眼。
「それまでの僕は、スライス一辺倒。でもあの試合に出てみて、ドローも打てなくちゃ、やっていけないと思った。」それをきっかけに、スウィングをいじりはじめたことが低迷の原因だった。
「スライス一辺倒でやっていた人間が、いきなりドローを打つのは大変な作業。練習場では、思いどおりの球が打てるのに、コースに出ると1,2番ホールまでいくと練習場でのいいイメージが消えてしまう…。昨日までだってまったくうまくいかなくて、これでよく予選通過したなっていう内容。はっきり言って、もう嫌になっていました」
だが、3日目のこの日は完璧だった。「ほとんどのホールでドローを打ったけど、18 ホール、一度もイメージがロストしなかった。今日は今年1番の出来。プレッシャーもなく、楽しいラウンドができて、気分いいです」
もちろん、真価が問われるのは最終日だ。優勝争いの中で、理想の球が打ててこそ、本物。
「今日1日だけじゃ、即席ラーメンみたい。明日も出来たらきっと自信になると思う。明日も、今持ってる課題をしっかりやって結果を出したい」
そう語るや、米山は練習場に直行し、球を打ち始めた。