記事

ANAオープン 2008

矢野東「もう優勝だけしかしたくない」

今年になって、もう何本のパターを持ち替えただろう。「10本以上はいっている」。ショットは絶好調。「ボギーを打つ気がしない。もう、いつ勝ってもおかしくないくらい」。しかしパットが入らない。
8月のバナH杯KBCオーガスタは3日目に3位。
先のフジサンケイクラシックは初日2位。
「・・・パットさえ入れば、もうとっくに勝っているのに」。
勝負を分けるミスパットに泣いてきた。

悔しさに唇を噛みしめながら、藁にもすがる思いで試行錯誤を繰り返してようやく「巡り会えた」。

今週、バッグに入れたクラブ契約先プロギアのパターでアンジュレーション豊かな輪厚の難解なグリーンも「気持ち良く打てています」。
頼りになる1本を得て、通算8アンダーは首位タイに「もう優勝だけしかしたくない」と、切実な思いを吐きだした。

日々、変化と進化を求めている。
「二流で終りたくない」その一心で、この夏から山坂元一トレーナーと契約を結んだ。

数年前から肉体改造に着手。
ジムで重量挙げを繰り返し、体には自信があった矢野だったが、男子ツアーでは主に谷原秀人を指導する山坂氏には「こんなんじゃまだまだ全然ダメ」と、あっさりと言われた。
体重も体脂肪率も、理想にはまだ遠い。
「割れた腹筋を目指そう」と、山坂氏は矢野に1日5キロのランニングを課した。
週4回、1日40分。
おかげで4日間、戦い抜く持久力、集中力がいっそう養われつつある。

今年は初の米ツアー挑戦を目標にしており、すでに2次予選会のエントリーすることも決めている。
今年7月の全英オープンで初メジャーを経験し、「もっともっと、世界の舞台を経験しなくちゃ!」との思いが高まったことが伏線にある。

「今日もこれから走ってきます」と、矢野。
苦しいことも、悔しいことも、すべてはでっかい夢実現のためにある。

関連記事