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清田太一郎「とにかく勝ちたい」

インドネシアのリア・ビンタンゴルフクラブで行われているアジアンツアーのモトローラ・インターナショナルは、来年以降のアジアと豪州と日本の3ツアー共催にむけて準備が行われれているトーナメントだ。

それもあって、今年は日本から多くの選手が参戦して予選通過を果たしているが、中でも清田は唯一、アジアンツアー枠からの出場。

昨年、日本ツアーのQT(サード)で失敗した。
アジアも、いずれは挑戦してみたいツアーではあった。
予選会で13位につけて、念願かなって出場権を手に入れることができた。
今年の稼ぎ場を確保できたとはいうものの、やはり本音は「日本が恋しい」。

まだ、日本はオフだから今はそれほどでもないが、いざ開幕すればますます思いは募るだろう。

しかし、それも仕方ない。
「お前もアジアで修行して来いってお告げ」と前向きに捉えて奮闘中だ。

欧州との共催試合も含めて、これが今季4戦目。
国境を越える転戦にはもう慣れた。

「海外では、自分の思うようにいかないのが当たり前、と思うようになったら、焦らなくなった」。どんな不測の事態にも、冷静に対処できるようになったという。

この日3日目は気温32度、湿度は85%。
うだる暑さの中で、「体力のペース配分」も分かってきた。

キャディは、大会ごとに現地で手配。
今週の“相棒”は「寝坊の常習犯」だ。
しょっちゅう時間に遅れるが、いちいち腹を立てていたらキリがない。
そんな状況の中で、「いかに集中力を切らさずやるか」。
試行錯誤の毎日だ。

目下の課題は、コミュニケーション。
話し相手がいないと、ストレスがたまる。
「もっと積極的に友達を作りたい」と思っても限界があるが、今週は頼もしい助っ人が応援に来てくれた。

昨年3月に結婚したばかりの妻・紗津己さんは、英語が話せる。
練習ラウンドから一緒について、選手とのコミュニケーションに一役買ってくれている。

妻も支えもあってこの3日間、安定したゴルフで通算4アンダー。
過酷な環境の中で揉まれながら、徐々に地力をつけつつある清田。
「どんな小さな大会でもいいから勝ちたい」。
アジアでの優勝を手土産に、いつか必ず日本に帰る。

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