記事
ブリヂストンオープン 2000
アマチュアの宮里優作、大健闘
現在、東北福祉大学(宮城県)2年の宮里優作君は、沖縄県出身。
「小さいときから、名護市の近くのミニコースでクラブ4本持って回ってました。
そこもバリバリの高麗グリーン。僕自身、高麗は得意なイメージがないけど、やっぱり体が勝手に反応しちゃってるのかな」
ここ袖ヶ浦CCは、ツアーでも数少ない高麗グリーンのコースだ。
高麗は芝目が硬く、選手の多くが「ボールが転がるとき、バリバリという音がする。ラインが思ったより切れたりして読みづらい」と苦手意識を口にする。
しかし、宮里君にとって、それも敵ではなかったようだ。
暑さや湿気、また温度差にも強いという特徴があるため、かつて、沖縄県下のゴルフ場では主流だった。
「高麗グリーンでの試合は久しぶり」とはいえ、小さいころから高麗グリーンに慣れ親しんでいた宮里君には、その対処法が体に沁みついていた。
「アプローチは、ランを出すと芝目に負けてショートすることが多いから、ロブショットで。
パッティングは、インパクトでしっかり打つと、左右に変な切れ方をすることがあるから、オーバースピンをかけてストロークで打つ感じ。あとは、ラインとか難しいことは気にせず、見た目で決めてガツンと打つ。今日はシンプルにやってみました」
2番では10メートル、5番で12メートルもの長いバーディパットを2つも決めて、アマチュアながら5アンダーの2位タイで、ツアープレーヤーに混じっての好スタートだ。
先週の日本オープン。
初日、2日目と尾崎将司と回ったことで大きな収穫もあった。
「ジャンボさんは、あんな難しいコースでも、ドライバーを多用していました。
ドライバーでフェード、ドローと打ち分けて、狭いフェアウェーの幅に打ち出していくんですね。
あの年で、あんなに思いきり良く攻めているのに、僕なんかが今から刻み刻みの小さなゴルフをしていたら、この先、通用しなくなるって思ったんです」
早速、その翌日から宮里君は、プレースタイルを、攻めるゴルフに変えていった。
おかげで日本オープンでは3日目から崩れ、初日の5位から58位に転落。ローウェストアマチュア(ベストアマチュア)賞は逃したが、今大会初日のこの日も、「ティショットでスプーンを使ったのは15番ホールだけ」と、攻めに徹してこの結果。
「今から、もっと大きなゴルフを目指してやっとかないと遅いと思うんです」
“期待の星”は将来をしっかりと見据えている。