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RIZAP KBCオーガスタ 2016

熊本に届け、この1打! 6選手による前代未聞のニアピンコンテストを開催(3日目)

この場限りは「プレー中です、お静かに」も通用しない。むしろ大ギャラリーの拍手と歓声が鳴り響く大音響の中で、約60ヤードのニアピンコンテストに挑んだのは、この6人だ。

宮里優作と宮本勝昌、手嶋多一と谷原秀人、永野竜太郎と、そして石川遼だ。

「RIZAP KBCオーガスタ」は3日目に最終組の石川が、18番で2メートルのパーパットを沈めるのを待って、幕を開けた。前代未聞のアプローチ合戦は、地元福岡の夢見るジュニアを代表して小学5年生の中畑雷太郎くんの始球式で始まった。

大会主催の九州朝日放送のレッスン番組で、なんとあの青木功を打ち負かした(?!)という逸材は、9番アイアンで「最高の球が打てた」と、みごと4メートル1センチに寄せた。

「えっ!俺たち負けるんじゃ・・・」と、プロたちもざわめく中で、いよいよトップバッターは我らが選手会長。この夏は、リオ五輪を堪能した宮里優作は、「手拍子の中のリレーや走り幅跳び。気持ち良さそうと思っていた」とノリノリで、ウェッジを振り切ったはいいが「ドラコンと間違えました・・・」。なんと、グリーンを大オーバー。19メートル50センチという惨憺たる数字で、早々に敗退。

お次は地元福岡の中年の星! 手嶋も60度のウェッジで6メートル66センチも、左のラフにこぼして論外だった。谷原は、なんと大ギャラリーにこんな約束。「僕がニアピン取ったら、いまここにいるギャラリーのみなさんにビール一杯奢ります!」。デカい口を叩いたものの、一度はピンそばに着弾したボールはスピンでぎゅーんと戻ってしまって、6メートル56センチ。
「ビールはご自身で、お買いください・・・」。

永野は誰より、気合いが入った。賞金50万円は、そのうち20万円が熊本に寄付される。「永野、結果にコミットしろ」と先輩プロに言われて、「ホールインワンを狙った」。奥の段に落として、転がしてくる計算づくしの渾身の一打はしかし、7メートル23センチにすごすごと、引き下がった。

いよいよ、勝負は2人に絞られた。
最後の挑戦者は石川遼。すでに3メートル57センチを記録していた宮本をしのげるか・・・・・・! ピンの右横にみごとに距離を合わせた結果は、実測にゆだねられ・・・・・・さあ、運命の瞬間。

・・・・・・残念! 4メートル50センチ!!
二木清彦(ふたつぎきよひこ)大会実行委員長から、賞金の目録を受け取った宮本は、これですっかり満足してしまった。大会は、まだ最終日を残しているというのに「明日は遼が頑張ってくれるでしょう」と自身はといえば、今夜は福岡のネオンに繰り出すつもり?!

それにしたっても、だ。ざっとそろばんを弾いても、今夜の飲み代には30万円も必要ない。「今日の僕の中州(なかす)代として5万・・・いや、6万円だけいただいて、あとは全部、寄付させていただきます」と当初の予定だった20万円どころか44万円を気前よく、熊本のみなさんに贈ると決めた。
これには、永野も感謝しきりで「熊本への支援もそうですけど、今日はギャラリーのみなさんも喜んでくださって、ゴルフ界にとっても非常に良い取り組みだと思いました」と、我が熊本のために画期的なイベントを開いてくださった主催者にも改めて頭を下げていた。
  • 雷太郎くんの始球式はプロ顔負け。ヤんヤの声援を送った6人も戦々恐々。
  • 熊本復興支援チャリティのニアピンコンテスト。県勢の永野(左端紺のポロシャツ)はホールインワンを狙ったが・・・
  • 最後の挑戦者は石川遼(後ろ姿)。宮本(水色のポロシャツ)に肉薄したが・・・ベテランに軍配!
  • 50万円のうち、ほとんどを熊本に寄付することに決めた!

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