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つるやオープンゴルフトーナメント 2008
石川遼がドンに挨拶
史上最年少優勝をあげた昨年5月のマンシングウェアオープンKSBカップの練習日に、すれ違いざま「こんにちわ」と、声をかけたことはある。
「でも、今日みたいにちゃんとお話しできたのは初めてです」。
今週のつるやオープンで、関西初上陸の石川遼が、地元のドン・杉原輝雄に改めてご挨拶だ。
1年前は、無名のアマチュアだった。
それが、いまは同じ土俵に立つものとして70歳と対峙した。
日頃から、学業との両立を口にしている高校生プロに、「ベテランのプロでさえ、何かとの両立は難しい。ゴルフに集中したほうが良いのでは」との考えを持っている杉原は、その手を握り返して意味深な笑みで言う。
「勉強は、せんでええで」。
「はいっ!」。
緊張のあまり、思わず即答した石川はその場で慌てて訂正だ。
「あっ、ハイって言っちゃダメですよね!!」。
この日水曜日のプロアマ戦では、ラウンド中に61歳とこんな一幕も。
5番ホールで数組詰まっており、簡易チェアにどっかと腰を据えたジャンボ尾崎の肩を、まず谷口徹が揉みほぐした。
それを見るなり石川も、急いでそこに駆け寄った。
「すごく緊張しました。殴られるかも、と思ったけれど」。
ジャンボは、満面の笑みでマッサージを受けてくれた。
「心の広い方だなあ、と思いました」。
賞金王との共同作業も「ジャンボさんの肩は、まったく凝ってませんでした」と、真顔で感想して笑わせた。
この日、ゴルフ界の重鎮2人と交流した石川はジャンボについて、「1年前まで目指していた日本一のプロゴルファー。テレビでしか見たことのなかった方と、こんなふうに話せるようになるなんて、今の自分が不思議な感じがします」と、どこかボンヤリと言った。
杉原には、「素晴らしい成績を収めながら、いまもゴルフを愛し続けている方。いまも、トーナメントに出て最年長予選通過をやるというのがその証拠だと思う。…僕も、一生ゴルフを愛し続けたいな」。
2年前の今大会で、68歳での決勝ラウンド進出。世界記録を築いた功績を、そんな表現で敬った。
そして2人からは、16歳にこんなエール。
「能力は半端じゃない。特にミート率はツアーでベスト5に入る。今週も、上にくるんじゃないかな?」とジャンボが言えば、杉原は「先週、彼は負けてよかった。あの悔しさを跳ね返していかないと、強くなれない。良い試練だったと思う。…頑張ってほしいね」。
ゴルフ界期待の新星が、ツアー2戦目を迎える。
先週、5位に敗れた反省点は「3日目にスコアを気にしすぎて思い切ったスイングができなかったこと」だそうだ。
「予選2日間しか良いスイングができなかったから。今週は4日間とも良いスイングを心がけて回りたい」。気合が入った。