見下ろす海面に降り注ぐ穏やかな陽光とは裏腹に、3日目は風が吹き、気温も下がった。
「前半は寒くて体が強張っているな」と、序盤はラウンド中に体を温めるストレッチをする余裕もまだあったが、「そんなことも忘れるくらい、後半はタフになった」と、徐々に強まる風と格闘していた。
所属先カシオが主催の本大会は過去13回出て、「今までで、一番難しかった。いやもう、ちょっときつすぎました」という難条件下でバーディは、奥のカラーから約1.5メートルに寄せた後半10番パー5のひとつだけ。
「ロングパットがなかなか打てなかった。ロングパットがもう少し、自信を持って打てるようになると自分のゴルフができるのかな」と、悔恨したが、その分だけ執念が光った。
スタートから立て続けに2メートル前後のパーパットを拾うなど、「100点満点のゴルフではないんですけどその中でミスを減らしながら、ボギーを少なくというところはできている」と、評価した。
ますます風速が上がった後半は11番で、下りの約2メートルを読み切りボギーを回避。
「ラインを読み切ることにかなり集中して、入らなければ仕方ない、と。思ったところに思った強さで打てているのはいいニュース」と、14番では、下りのやや大きめのスライスラインもパーでしのいでついに3ラウンドとも、自身初のボギーなしで回り終えた。
「きょうはさすだに無理かな、と思ったんですけど。パーオンもしっかりできて、ティショットもそんなにトラブルがない。あれもったいなかったな、というミスがなかった」と、先週の「ダンロップフェニックス」最終日の後半6番から数えるなら、58ホール連続のボギーなしを継続。
2010年の「VanaH杯KBCオーガスタ」で49ホール続けた自身のボギーなし記録を9ホール更新した。
「毎日が絶好調、というわけにはいかないので。昨日よりちょっと調子が悪いな、というときに簡単に落とさないのが大事」とは、10月の日米「ZOZOチャンピオンシップ」で実感した気づきで、今月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」での大会最多のアンバサダーVでもその教訓を生かしている。
「こういうコンディションだと悪いところ、自信のなさが露呈されがち。難しくなった分、楽をしようとか、甘さも出やすいと思ったので。毎ホール引き締めながらやれたのは良かった」と、安堵した。
今季初Vを飾った6月「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では毎日、イベントで盛り上げながら、大会実行委員長V。
今季3勝目で狙うホストVでは、宮里優作(みやざと・ゆうさく)が、2017年の「HONMA TOURWORLD CUP」で達成して以来となる72ホールボギーなしVの快挙で恩人らを喜ばせる好機も生まれた。