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額賀辰徳が語る、飛ばしの秘訣

年間平均302.79ヤードを記録して、ランク1位を獲得。昨季のドライビング王は羨望のまなざしで、「なんでそんな軽く振ってて飛ぶの」と、周囲によく驚かれる。
だが本人にしてみれば、「自分ではけっこう一生懸命に速く振っているつもりなんですけど」と、不思議そうに首をかしげるからよく言われるように、飛距離はやっぱり天性のものなのか。

それでも、強いてアマチュアのみなさんむけに秘訣を挙げれば「体幹を意識して、いかに軸をブレさせずに振れるか」。
そして「体の柔軟性」。
自身もこのオフは、「持ち味」のさらなる向上を目指してトレーニングに励む日々。
それはすでに昨シーズンが終了した12月からスタートしており、さっそくその効果が出ているという。

2月19日から、都内・有明の東京ビッグサイトで開幕した「ジャパンゴルフフェア2010」。そのなかびの20日(土)は、契約先SRIのブースで行われたトークショーで、「今年はすでに、例年にないくらい調子が良いんです」と、自信も満々。

2年連続のドライビング王と、シード1年目のツアー初優勝を期待する大勢のファンの声にも「任してください」と、堂々と請け負った。

チャレンジトーナメントランク6位の資格で本格参戦を果たした昨季を例えて「山あり谷あり」。
開幕直後は順調な滑り出しも、中盤に失速して「ダメかな」と諦めかけた時期もあったが終盤に2度のトップ10入りで、晴れてシード選手の仲間入りを果たした。

それはちょうど、2006年のプロ転向からこれまで3年間の道のりと重なった。
数々のタイトルを総なめにした中央学院時代。183センチの長身もあいまって、周囲の期待を一身に集めてデビューしたものの、「甘かった。舐めていた」と振り返る。
「自分では、すぐにでも活躍できる気持ちでいたんです」。

しかし、出場権さえままならない年が続いた。
「期待に応えたいのに応えられない。そんな自分がつらかった」。
だが、どん底の日々も明日を信じて這い上がってきた。

苦しい記憶はこれからのプロ人生に必ず生きてくるだろう。
「今年も他の追随を許さないくらい、もっともっと飛ばしていきたいです」。
誰よりも遠く、前へ。その先には必ず栄光が待っている。

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