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2004 アジア・ジャパン沖縄オープン 2005

井上信 「大事なのは、早く次の2勝目をあげること」

入れ替わりの激しい日本ツアー。「ひとつ勝ったくらいじゃ、なかなか名前を覚えてはもらえない」ところだが、井上は、今年ABCチャンピオンシップの初優勝で一躍、時の人となった。

最終日の18番グリーンで、仲間から胴上げの祝福を受けた際に、地面に強くたたきつけられたのが原因で、肋骨にヒビが入った。
優勝した早々に、約2週間の欠場を余儀なくされたが、このアクシデントが逆に存在を強く印象づけた。

トーナメント会場のみならず、近所の練習場に出かけていけば、見知らぬ人から「もう、大丈夫?」と、声をかけられる。

そのほかにも、テレビの人気ワイドショーから出演要請があったり、スポーツ番組で取り上げられたり。療養中も各方面に引っ張りだこで、一気に名前が売れたのだ。

思わぬ不運も、いまは「幸運だった」ととらえている。
ケガもほとんど完治したいま、「ただ、初優勝しただけでは味わえない経験を、たくさんさせてもらいました」と振り返る。

もっとも、これだけで満足するには早すぎる。
「大事なのは、早く次の2勝目をあげること」。
いずれは片山晋呉や谷口徹のように、1年に何勝もあげる選手になって、本当の意味で名前を覚えてもらうことが目標だ。

この日は「ほとんどフェアウェーに行った」と、安定したショットで通算7アンダー4位タイに浮上。
首位とは少し、差がついてしまったものの、まだ2日目。逆転のチャンスは残っている。

2005年シーズンにカウントされるこのアジア・ジャパン沖縄オープンでさっそく2勝目をあげて、今度こそ実力で、アピールしたい。

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