記事
矢野東によるスナッグゴルフ実技講習は劇的なホールインワンで始まった
3限目と4限目に行われた、スナッグゴルフ実技講習会は、寒風が吹くなか校庭で行われ、開始早々に矢野がデモショットを放つと、その3発目が40ヤード先のフラッグにくっついてしまった。
劇的なホールインワンを目の当たりにした児童たちの驚きもさることながら、誰よりも本人がビックリして大興奮した。
実技講習会で、児童たちにスナッグゴルフの説明をするため、百文は一見にしかずと、まずはショットを披露した矢野。
1発目は目標を設定せずにフルショットし、その美しい弾道と飛距離に児童たちから拍手を浴びた。
2発目は40ヤード先のフラッグに狙いを定めてショットし、そして用具の説明に移ろうとしたとき、2発目のショットに納得のいかなかった矢野は、司会進行も関係なく、目標に向けて再度ボールをティアップした。
強い向かい風に逆らっての40ヤードのコントロールショットは、グリーン手前でバウンドし、コロコロと転がり、「おっー!」という児童たちの歓声とともにフラッグにくっついてしまった。
大興奮の雰囲気で始まった実技講習会で矢野は、児童ひとりひとりに声をかけ、スキンシップをとり、矢野自身が小学生にもどったかのようにはしゃぎ、児童たちのショットに一喜一憂し、寒さも忘れて熱心に指導し、そして心から楽しんだ。
講習会の締めくくりに行われた、6年1組と2組、そして矢野による対戦。
初心者の児童が2つのハンディキャップをもらってスタートしたが、矢野のティショットはデモショットのようにはいかず、結局、グリーンに届かず寄せて3打。
対して2組代表の渡辺くんが、未経験者ながらティショットをグリーンに乗せ、ファーストパットが強めにガツンとくっつき2打。
負けん気の強い矢野は、児童チームに敗れてくやしがったが、爽やかに握手で健闘を称え合った。
小学校の校庭で、初めて児童たちとスナッグゴルフを楽しんだ矢野は、「予想以上に楽しくゴルフをやってくれて僕も楽しかった。スポーツとして、道具を使ってボールを飛ばしたり、走ったり体を動かしたり、それ自体が素晴らしいことだと思う。今回の小学校訪問で一番伝えたかったのは、スナッグゴルフを通じてゴルフの存在を知ってもらうこと。」
矢野自身、小学生のときにゴルフを始めたが、その当時、子どもがゴルフをすることに対する、まわりから見られる偏見を感じていた。
実際に小学校の先生からはひがみの声も聞いたことがあるという。
なんとかゴルフの認知度を高めたいと、今回の小学校訪問の打診には二つ返事で快く応じたという。
更に矢野は、「小学校では順位や序列をつけない時代と聞いているが、社会に出たら競争だから強くなってやろう、という心も大事。これから大人になっていって、ゴルフをしなくてもいいけど、スポーツで人を称え合ったり、競争するのも楽しいということを伝えたい。」と、ゴルフによる効能も感じ、同時に期待を寄せる。
そして今後の活動に関して、「小学校という子供たちの現場に来て、子どもたちとふれ合い、校庭の中で子どもたちがこんなに楽しくゴルフを体験できるならば、その導入に役立ちたいと思うし、こういう学校をもっともっと増やしていきたい。それがプロゴルファー全員の願いだし、それが10年後、20年後に繋がるのではないかと思う。」と長期的な視点でも真剣に考えを馳せる。
そして数々のスポーツを経験してきた矢野は、「ゴルフに限らずスポーツは素晴らしい。」と締めくくった。