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来年ツアーに出場する夢を諦めない若者2人 <ファイナルクォリファイングトーナメント 1R>

前粟蔵俊太
普段のツアー競技と違って、QTではコース内には歓声や拍手がこだますることがない。選手がショットするときの球の音と、グリーンに着地するボールの音だけが響く静寂の世界だ。

そこに自らの夢をかけて挑戦する若者たちがいる。昨年末にプロ転向した18歳の前粟蔵俊太(まえあわくら・しゅんた)と20歳の片岡大育(かたおか・だいすけ)の2人だ。

前粟蔵は東コースを回り、1オーバーの「73」と出遅れた。
実は17番ホールを終わって3オーバーまでスコアを落としていた。パー5の18番は、グリーン左手前に池が待ち構えている。それでも「思い切っていこう、池に入ってもいい」と開き直って、残り270ヤードの第2打を3番ウッドで狙っていった。
6メートルに見事に乗せ、これを1発で沈めてイーグルでフィニッシュした。これで「明日も頑張ろう」という気になった。

今年は17歳の石川遼の活躍がゴルフ界を大いに盛り上げている。
「もちろんいい刺激になります。彼が頑張っている姿を見ていると、自分もと思います」。

かたや、石川がツアー優勝者と賞金ランキング25位以内の選手しか出場することの出来ない「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に出場している一方で、来年のツアー出場権を得るために戦うQTと、今はステージが違ってしまっているが来年は判らない。

もう一人、片岡は2オーバーの「74」だった。
「ショットの調子は良かったが、パターが全然入らなかった。1ピンの距離に7回ぐらいついたけど入らなかった。ラインが読めていない」とのこと。

しかし、逆に言えばパターさえ入れば、ビックスコアも出せるということになる。
「大丈夫。ショットがいいので、明日はバーディが獲れる」と落ち込んだ様子はない。
まだ5日間あるのだ。
  • 片岡大育

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