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破れた2チームも、巻き返しを狙う!
日本チームは後ろ2組の“常連組”が、まさかの敗退。いずれも序盤から暗雲垂れ込めた。「今日は前半、僕のミスから流れが悪くなった」と反省しきりは、薗田峻輔。
それでも、姜庚男(カンキュンナム)と裵相文(ベサンムン)の韓国ペアとの終始、僅差の戦いは、「僕が決めれば引き分けには持ち込めたはずだった」。
1打差で迎えた18番は、チーム最年少は19歳の石川遼が右ラフの窪地から、気合の入った一撃で、奧2メートルのバーディチャンスにつけながら、薗田が外した。
「悔しい」と唇を噛む先輩。
杉並学院高の2つ後輩も、13番で3メートルのバーディパットが1.5メートルも行きすぎて、うつむいたまま、しばしその場に立ち尽くす場面も。
17番では石川が3メートルのバーディパットを沈めてガッツポーズを突き上げたはいいが、そのあと裵(べ)の1.5メートルのバーディパットにあっさりとかき消されるなど、この日は相手が1枚うわてだった。
「向こうは気持ちで、やり返してきたのだと思う」と薗田。
石川も「相手の強い精神力を感じた」というのなら、2日目こそ気持ちで負けない。
スコアでは負けたが、小学生のころから競い合ってきた2人の相性の良さは、今さら言うまでもなく、「ずっと遼とやってきたので、いきなり違う人と組んでも、やり方が分からない。今年すべてのペアの中でも僕らが一番相性が良い」と、薗田も言い切るほど。
たとえ破れてもこの黄金ペアに、揺らぎはない。
翌2日目のフォアボールに備えて「明日はまた、新しい1日。明日こそ最高のコンビネーションを見せたい」と薗田が言えば、石川も「明日、明後日と勝ちきって、日本の勝利につなげたい」。
そして、この日の最終マッチをつとめた片山晋呉と池田勇太もまた、昨年負けなしの最強コンビが黒星スタートとなった。1番で、池田が左にOBを打った。「俺がスタートから悪い流れを作ってしまった」と痛恨の「8」の出だしも、しかし2人の表情は、最後まで曇ることはなかった。
「苦しい中でも片山さんが声をかけてくれて。最後まできっちりと戦えたと思う」と、昨年からコミュニケーションバツグンの2人はクサることもなく、懸命に巻き返しにかかった。
結局、Y・E・ヤンと金庚泰(キムキョンテ) の韓国最強ペアには3打及ばなかったが「惜しかった」と、2人とも笑顔で上がってきた。
もちろん、悔しいには違いない。
だが、今年もまたペアを組んで、片山が改めて感じたことがある。
「お互いに、刺激しあって僕らは本当に良いチームだと」。
そして、翌2日目にむけて、改めて誓った。
「明日は勝つ」。
池田も「この悔しい思いを明日、思い切りぶつける」と、眼光を光らせた。