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59歳トム・ワトソンが6度目の全英制覇と最年長メジャー優勝記録更新に王手

競技3日目、首位タイ(5アンダー)でスタートしたワトソンは前半を1オーバーでバックナインへ。昨日と違い横風が強くなっていたこの日、ワトソンが12番、15番ホールをボギーとすると、見ている誰もが上がりの4ホールでの盛り返しは難しいだろうと、諦めかけていた。
しかしワトソンは16番ホールで2日目のロングパット(18メートル)を思い起こさせるような12メートルのパットを沈め観衆を沸かせると、直後の17番ホール(パー5)のセカンドをグリーンにのせピンまで約8メートルのイーグルトライへ。惜しくもイーグルとはならなかったが、難なくバーディを奪い単独首位に返り咲いた。

最終18番ホールのフェアウェイからグリーンへ歩いてくるワトソンを観客の大歓声が迎え、ゆっくりとグリーンに足を踏み入れるワトソンの表情は、77年の優勝時の思い出をかみしめるようだっだ。

ホールアウト後、ワトソンはその時のことを振り返り「18番でパーパットを決め、クラブをOx
(現キャディのネイル・オックスマン)に渡す時、ブルースが僕たちについてきてくれてるんだ!と言ったら彼が泣きはじめて、僕も涙が出てきた。」と、2004年に筋萎縮性側索硬化症で亡くなった盟友でキャディーのブルース・エドワーズ氏のことが頭をよぎるほどの感情の高ぶりがあったことを報道陣に語った。

6度目の全英制覇がかかる最終ラウンド。優勝すれば、1968年の全米プロでジュリアス・ボロス(米国)が打ち立てたメジャー最年長優勝記録の48歳を大きく更新することになる。

「徐々に自信がついてきている。明日は優勝するためにやらなければいけないことをただやるだけ」と、余裕の表情を見せたワトソン。記者会見後のメディアセンターでは「トム・ワトソンが明日優勝した場合は69歳までプレーできる10年間の出場資格を与えます。」とアナウンスが流れるなど、ワトソンとしては何が何でも優勝したいと思える材料はそろった。相性抜群の全英オープンでの最終ラウンドで往年の姿を彷彿させるプレーを見せてくれるに違いない。
  • 18番グリーンに上がるワトソンに観客の大歓声がおくられ、それに応えるワトソン

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