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マンダムルシードよみうりオープンゴルフトーナメント 2005

広田悟「ゴルフは、最後にふたを開けるまで分からない」

仲間うちでひそかに、「ミスター・よみうり」と呼ばれている。
2002年の今大会。2位タイの成績をあげて賞金1100万円を獲得したのをきっかけに、初シード入りを果たし、そのあとも、トップ15位から外れたことはないからだ。

ここよみうりカントリークラブに来ると、「なぜかグリーンのタッチが合う」という。前週まで、どれほどパッティングに苦しんでいても、「ここに来れば不思議と距離感が合うし、ラインも読めるようになる。思ったとおりに、ボールが転がってくれる感じがする」という。
この日2日目も、3〜5メートルのチャンスパットをしっかりとモノにして、3位タイ浮上。

2003年にいちどシード落ちを味わったが、昨年、賞金ランク64位で再び復活した。浮き沈みを経験し、精神的にもたくましくなった。
この3年間で痛感しているのは、「諦めないことの大切さ」だ。
以前なら、ボギーが2つ3つ続くとすぐにキレて「ぐちゃぐちゃ、バラバラになっていた」。
しかし今なら、「まだ、残りホールがある」と、気持ちを切り替えられる。

「諦めながらゴルフをした日、家に帰ってから冷静によく考えてみたときに、諦めずに頑張っていれば、予選くらいは通れたかもしれない、上位には残れたかもしれない、ってそう感じることが過去に何度もあったんです。ゴルフは、最後にふたを開けるまで分からないんだって。実際に何度もそういう経験をして、ようやく分かるようになりました」。

相性の良いコースで優勝争いに加わって、目指すはツアー初優勝だ。
「誰もが一度は通る道。プレッシャーに負けないように、最後まで自分のプレーを貫こうと思います」。
右手で作ったVマークが、その思いの表れだ。

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