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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

平塚哲二は「前よりは強くなっている」

最終18番は、谷口徹に追いつく絶好のチャンス。3メートルのバーディチャンスは鋭い目つきでラインを読む姿にも凄みがあって、谷口にも「平塚は絶対に入れてくる雰囲気があった。“プレーオフかあ、うざいなあ”と思った」と、戦意喪失させたほど。

しかし、「思いっきり切れましたね」。
結局、ボールはカップを逸れて、1打届かず敗れたが、谷口の右手を握り返した笑顔には、一点の曇りもなかった。

一度は脱落した勝負だった。
4番で左にOB。トリプルボギーを打って、逆に燃えた。
それから5つのバーディで一度は逆転にも成功した。
「平塚は優しいヤツだと思っていたのに。先輩いじめの悪いやつ」と谷口に言わしめたほど。最後まで、とことんしぶとく追い詰めた。

それでもひとつ悔しいのは逆転直後の13番だ。
3日間とも右の林に打ち込んでいたパー5のチャンスホールは、もともとが「大嫌い」。
やはりこの日も同じルートで第2打は脱出するしかすべがなく、平凡なパーに終わった。
突き放す好機をみすみす逃した。
初のメジャータイトルは、泡と消えた。

「でも、ある程度、自分のゴルフが出来ましたから」と、悔いはない。
またタフなコースで連日、優勝争いを繰り広げて得た実感。
「自分としては、精神的にも、技術的にも前より強くなっていると思う」。
今季はすでに、アジアンツアーで1勝をあげている38歳は、この敗退を糧に「これからも、優勝争いを重ねていきたい」と、さっそく前を向いていた。


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