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「次はおれの番だ」田中秀道
ゴルフ自体には、この1ヶ月で手ごたえを摑みつつあった。11月の三井住友VISA太平洋マスターズでは、日本ツアーで7年ぶりのトップ10入りを果たし、ゴルフが「いい感じになりつつある」ことを実感していた。「それでも年内にここまで出来るとは思っていなかった」という。初日、2日をそれぞれ71でまとめたものの、3日目に74と崩れ、予選落ちの危機さえあった。4日目に70と息を吹き返して、前日の大爆発につながったのだ。
まずは「身体をもう一度直すこと」が肝心だ。ショットやゴルフを立て直すのは二の次になる。それでも来年のツアーに出場できることに喜びを感じている。
最終日は“ジェット”尾崎健夫と一緒に回った。田中はフックボール、ジェットはフェードボールで、お互いの球筋は両極端で、「2人の幅の違いは100ヤードくらいあるな」と笑いあっていたという。来年はそのフックボールで「ギャラリーをあっといわせたい」。たしかに今のツアーではこれほど個性のある球を打つ選手は見なくなってきた。
「昨日、丸山(茂樹)さんの優勝シーンを見て、ジーンと来た。次はおれの番だ」と思ったという。お互いに米PGAツアーで戦ってきた仲だけに、感無量だったようだ。1年後には日本シリーズで優勝を争っている姿を見てみたいものだ。