記事
ダイヤモンドカップゴルフ 2010
青木功が棄権
歩けない、というほどの症状ではない、というが67歳は「やっぱり、俺にも先があるから」。本人も「めったなことじゃ、しない」という途中棄権。確かに、記録の残る85年以後は一度もない。それだけ症状は、見逃せないものであった。
大事を取って、第2ラウンドのスタート前に申し出たあとも、青木はしばらくコースに居残った。
そして予定時刻に自分もティオフするはずだった1番ホールに、自ら足を運んだ。
これには、石川も度肝を抜いた。
青木が棄権するらしいということは、練習場でスタッフからすでに聞いていたという。
「でもまさか、ご本人がコースに来られているとは思わなかった」。
そればかりか一緒にまわるはずだった自分と、兼本の前に現れ直々に頭を下げて、「遼とドライバーで張り合おうとして痛めた」などと、ユーモアを交えて事情を弁明したという。
「これには本当に驚いたというか、感動したというか・・・・・・」。
同時に石川は悟った。これぞ世界のアオキだ、と。「ゴルフを愛しているこその行動なんだ、と」。
青木は「ゴメンな、という気持ちで遼のところに行った」という。
「スポンサーや、お客さんにも申し訳ないという気持ち。みんなあっての青木だから」。
そんな姿勢に、18歳の賞金王も感激しきりだった。