記事

カシオワールドオープン 2010

シード権争いは事実上の最終戦! 来季のシード選手が確定

アジアと日本、両ツアーのシード入りを目指す市原も初シード組
今週のカシオワールドオープンを持って、2011年度のシード権が確定した。賞金ランキングは70位までの70人が、来季の出場権を獲得した。

うち、初シード入りを果たしたのは12人。その半分が、別項目でも紹介した韓国勢で、そのほか今年はルーキーイヤーにしてツアー初優勝を飾った薗田峻輔や、賞金ランクは58位につけた市原弘大、身長158センチはツアーでもっとも身長が低いことを、自身も逆にウリにしている上平栄道は同61位に食い込み、同67位の河野晃一郎に、同69位の岡茂洋雄(おかもひろお)は41歳にして初シード入りを果たした。

また、谷昭範は大事なこの最終戦で決勝ラウンドに残れず、自宅でハラハラドキドキの週末を過ごしたが、ボーダーラインの70位に踏みとどまって、初の吉報を受け取った。

アジアと日本。両ツアーを股にかけた市原は、日本での初シード入りを手にしたその足で、翌29日・月曜日には、インドに飛ぶ。

アジアンツアーの賞金ランキングは現在、60位と微妙な位置におり、「あと3試合で確実にしたい」と、自身初の2ツアーのシード権獲りに、意欲を燃やす。

今季の試合数は30を優に超え、毎週のように、アジアと日本を行ったり来たりのスケジュールは「体の負担が大きかった」と、夏場に股関節を痛め、その影響からかショットにも、精彩を欠いたが「アプローチとパットでしぶとくやれたと思う」と、充実の表情も浮かんだ。

何より、専属トレーナーの湯浅文乃さんのサポートなくしては、今シーズンの活躍はなく、「メニューは相当キツイのですが、今年戦い抜けたのもそのおかげかと。このオフもすでに、トレーニングのスケジュールががっちりと決まっているようです」と、苦笑いで顔をしかめた。

来季もアジアと日本。「戦える場所があるのならどこにでも行く」という市原。「さらに体力を強化して、来年に備えたい」と話した。

河野はこのカシオワールドオープンが始まる前から、圏内の賞金ランキングは66位にいたが、とても余裕で戦えそうになかった。というのも、当時はひとつ上の同65位にいた許仁會(ホー・インホイ)と、河野の獲得賞金は約170万円差とやや開きがあり、さらに当時、ひとつ後ろは67位の藤島豊和からボーダーラインのひとつ手前の69位までは、みな1100万円台と僅差の争い。

この最終戦は、決勝進出が最低条件にもかかわらず、2日目に通算1オーバーはギリギリの予選通過に気の休まる間もなかった。初日に、圏外から逆転のシード入りを狙う深堀圭一郎や田中秀道らが好発進していたからなおさらだった。

当初から、ランクをひとつ下げたものの、67位で初シード入りに決着をつけて、ようやくホッと安堵の息をつく。

29歳にして、ファイナルQTランクは40位の資格で初の本格参戦を果たした今年は初戦で予選落ちを喫して、がっくりきた。

それでも、持ち前の明るさで、「まあ、今年は経費分、・・・6、700万円ほど稼げれば上々。それで自信をつけて、今年もまた年末にファイナルQTに行ければいい」と、余分なプレッシャーも背負わず、9月のANAオープンで8位タイ。

自身初のトップ10入りにたちまち自信をつけて、次のコカ・コーラ東海クラシックでは4位タイに食い込んだ。

「さあ、これから」というときに日本オープンから先週まで5試合に出場出来ず、「家で気が焦るばっかりで、自分では何にも出来ずにつらかった」。苦しかった日々も、ようやくこれで、報われた。

今年は、15試合に参戦して考えを新たにしたのは「体力面」。3日目まで上位で戦えても、最終日に息切れすることが多かった。
ほぼフル出場が可能な来シーズンは、「トレーニングで体を鍛え、最終日こそ最高のパフォーマンスを出せるようにしたい」と、気持ちを新たにしていた。

  • 河野は「体を鍛えて来季こそ、最高のパフォーマンスを」

関連記事