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カシオワールドオープン 2010
今季、韓国勢が破竹の勢い。2位に敗れた金度勲(キムドフン)もまた・・・
この日は、プレーオフには1打足りない3位タイに「今年最後の試合だったのに・・・!!」と、悔しがったH・T・キムや、ツアー通算8勝のS・K・ホら、シードの常連に加えて、今年初シード入りした全12人のうち、半数の6人が韓国出身の選手ということからみても、それは伺い知れる。
賞金ランキング17位のJ・チョイ、同27位の趙珉珪(チョミンギュ)、同29位の裵相文(ベサンムン)、同49位の朴宰範(パクジェーブン)、同66位の許仁會(ホーインホイ)・・・・・・。
みな、金庚泰の活躍に刺激を受けているのは明らかで、彼らの中では先輩格のH・T・キムも、シーズン中はことある事に「僕も頑張らないといけません」と、繰り返していたものだ。
そして、このカシオワールドオープンで、松村とプレーオフ4ホールの激闘を繰り広げて賞金ランキングは11位につけた金度勲(キムドフン)も、今年初シード入りを果たしたコリアンパワーの一人だ。
昨年のファイナルQTはランク4位の資格で、初の本格参戦するなりルーキーイヤーにして、トップ10入り8回の活躍ぶり。
手応えを掴んだのは、9月のフジサンケイクラシックだったという。8位タイは、サン・クロレラ クラシックに続く2度目のトップ10で、たちまち自信をつけると、次のANAオープンで2位タイに食い込んだ。
春先こそ「何もかも初めての経験で慣れない環境に戸惑った」と初々しかった21歳も、ひとつきっかけを掴めば、あっという間だった。
今週も、誰もが首をひねった難グリーンも、「僕はマウンドがたくさんあるほうが、ラインが読みやすく感じる」と涼しい顔で、17番でも「80センチは曲がった」というきついフックラインも難なく決めて臨んだプレーオフは、4ホール目に、右の斜面からの第2打を「少しでもグリーンに近づけたいと欲張った」とOBのギブアップに悔しがったが、「これを肥やしにしたい」と、めげていない。
プレーオフの直前には、初シード入りの抱負として「来年は必ず1勝を」と話したが、まだ今年中に、リベンジのチャンスは残っている。
次週は1年のチャンピオンと、賞金ランク25位までの選手にしか権利がないツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で夢現実となれば、今年ひとつの目標にしていたという「新人賞」の受賞も、また夢ではない。
「頑張ってみます」と、気持ちを入れ直していた。