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キヤノンオープン 2009
キヤノンオープンは54ホールに競技短縮へ
アナウンスを合図に待ちわびた選手たちが、いっせいにクラブハウスから飛び出してきた。
次々と打席場に並ぶ選手たち。
その中に先週、石川遼と池田勇太との死闘の末に、自己最高の2位につけ、初シード入りをほぼ手中にした梶川剛奨(かじかわたけし)の姿も。
先週を改めて振り返るにつけ、自身2度目の最終日最終組のプレッシャーは尋常ではなかった。「それでも、やるしかない。とにかく18ホールやりきる」と決めた38歳の粘りが生きた。
3人のうち、ただひとりボギーなしのラウンドで道を大きく切り拓いた。
「あの経験はとても大きかったと思う」。
自信と前向きさが出てきたことが、何よりの収穫だった。
「優勝・・・できるかといえば、そこまでまだ大きなことは言えないけれど。もっと優勝争いがしたいと思うようになりました」と、翌9日(金)に行われることになった1日遅れの第1ラウンドに向けて、強い風の中調整に余念がなかった。
現在、賞金ランク2位につける池田勇太も、午後から会場にやってきた。
が、駐車場から直行したのは練習場ではなく、契約メーカーのクラブ工房を搭載したサービスバス。
前日水曜日のうちに、オーダーしておいたドライバーの仕上がり具合を確かめにきたという。
とりあえず、ニューギアを2本手に入れたが本戦前の“試打”はひとまず翌日のスタート前まで取っておく。
「今日は完全休業。ちょうど良いお休みが取れたからね」と、クラブチェックが終わったら、そのままそそくさとマイカーに乗り込んだ。
54ホールの競技短縮で、加算賞金は75%となり、優勝賞金は当初の3000万円から2250万円。もし池田が勝っても今週だけで、石川を抜くことは出来なくなったが、「それはまだ、いいべよ。試合が短くなるんだからさ。そんなにもらっちゃまずいしね」と笑って、ひとまずコースをあとにした。
※なお、競技は54ホールに短縮され、賞金ランキングへの加算は総額の75%となりますが、主催者のご厚意により選手には全額支払われます。